退職するとわかる会社員がすごく恵まれている6つのこと
会社に在職中は、当たり前でなかなか気づくことができないことでも、職場を離れてみると、会社員自体の環境が特殊なものであることがよくわかります。
今回は、会社員が当たり前と感じていることでも、非常に恵まれている現実的な事柄を6つ紹介いたします。
1.毎月決まった日にちに給与が振り込まれる
当たり前のことですが、会社に行っていれさえすれば、毎月、ほぼ定額の給与が振り込まれます。
これは何よりも気持ちを安心させてくれます。
都会に住むほとんどの人は、会社員なわけですから、このありがたみは「当たり前」に置き換わっていると思います。
現実は、月末に向けて銀行の残高が減っていきます。そして、毎月25日くらいになると、金額が自動的に増えるので、まるでお金の在庫管理をしているような気になります。
お金が自動的に入ってくることが確定しているということは、それだけで気持ちも実生活を安定させてくれます。
今日、多少ぜいたくをしてしまっても、少し時間が経てば、かってにお金が補填されるのです。
何と言っても、この「定期的に定額が振り込まれる」という奇跡は会社員じゃないと味わえない感覚だと思います。
と言っても、会社員にとってみれば、当たり前なので、「味わう」ことはできないのかもしれませんが。
2.自分の仕事以外のことは、みんな他の人がやってくれる
実はいろいろな仕事を自分に代わってやってもらっている。これもまたすごいことです。
例えば、自分が営業部門の所属していれば、契約書を作ったり、取引先との商談をまとめたりなど、その部門に属する仕事はしないといけません。しかし、逆に言うと、それ以外はしなくてもいいのです。
自分が使った交通費や日当は、申請すれば、総務部や経理部が計算や精算をやってくれます。社会保険や税金の計算、管理も労務部門がやってくれます。
トイレの蛍光灯が切れてしまったり、石鹸がない、なんていうことに気がついたら、総務部門に言うだけで、修理したり交換してくれたりします。
要するに、身の回りのことは、周りがみんなやってくれるということです。
そもそも、いろいろな業務を分担して行なっているのが会社組織なのです。ですから、自分に与えられた仕事をやっていれば、あとは、誰だかわからないけれど、みんな滞りなく進んで行くということです。
もちろん、総務部や労務部門の人は、社員のお世話をすることが仕事の大部分を占めたりするわけですが、そのぶん、どこかに営業に行ってお金を稼いでこなくてもよいわけです。
会社にとって一番大事なお金は、営業部門が稼いでくれるわけですから。
3.健康保険料の半額を会社が負担してくれる
健康保険料は毎月の給与から天引きされているので、あまり意識することはないかもしれませんが、半分は会社が支払ってくれています。
これが退職すれば、国民健康保険に入るか、今まで加入していた健康保険組合に任意継続(2年間)するか、ということになるわけです。
しかし、会社の補填分は無くなってしまいますので、全額自分で支払わなくてはなりません。
その額2倍。
年間で数十万円も払わなくてはならないので、「ええっ!こんなに健保に支払っていたの?」とびっくりします。
4.厚生年金に自動的に加入できる
厚生年金については、在職中はあまり意識しないことですが、国民年金に上乗せして毎月一定額を支払っているわけです。
…ということは、そのぶん将来、多くもらえると言うことで、精神的に大きな安心感になります。
結構な額を天引きされているのですが、サラリーマンというのは、天引きされるのは、あんまり痛まないのですね、なぜか。
在職中、ずっと支払い続けることになるわけなので、自動的に65歳以降の生活水準が上がっていくわけです。
年金なんてもらえるかどうかわからない・・・
ということを言う人もいますが、支払っていなければ、それこそもらえません。しかし、支払っていさえすれば、とにかくゼロ円ということはないわけです。
5.税金はがっつり取られるけれど楽チン
サラリーマンは所得がクリスタルガラスよりも透明なので、それこそ、がっつりきっちり税金は徴収されます。
でも、これも総務部や経理部が源泉徴収から年末調整まで、みんなやってくれるので、全自動で事が済んでしまうわけです。
たしかに、給与明細を見てみると、多くの人は3分の1くらいは、国や自治体に持って行かれているのではないでしょうか。
しかし、これも天引きマジックによって、あまり懐が痛まないという不思議な心理状態に救われます。
だからこそ、国も税金の徴収はサラリーマンの懐を狙いにくるのでしょう。
これが個人事業主だったりすると、ぜんぶ自分でやらなければならないので、かなりの手間です。その手間たるや、半端ない、です。
6.有給休暇がある
入社して3年くらい経つと年間で20日の有給休暇がもらえます。
労働法で決まっている有給休暇の付与日数は次のとおりですが、だいたい入社3年目くらいで上限の20日/年の有給休暇をもらえる会社が多いと思います。
勤続期間 |
6ヶ月
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1年半
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2年半
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3年半
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4年半
|
5年半
|
6年半
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最低有給日数 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
要するに、会社を休んでも、給与は減らない、ということです。
働かなくても給与は減らない、というのは、奇跡のような話ですが、逆に言うと、こうした休みもコミコミで給与が支払われている、ということですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。会社員が恵まれていることは、ざっと次の6つです。
- 定期定額で給与が振り込まれる
- 自分の仕事以外は周りがやってくれる
- 健康保険料は半額を会社が負担
- 厚生年金に自動的に加入
- 税金はがっつり取られるけど楽
- 有給休暇がある
これらは、会社員にとっては当たり前ですが、考えてみれば、かなり良いシステムです。
会社というのは、入ってしまえさえすれば、全自動で生活ができる、ということなのですね。
そのぶん、いろいろと忍耐が必要な場合も多いと思いますが、少なくとも生存欲求は満たされるわけです。
特に独立開業を目指している人や、司法試験などの難関資格を目指してスペシャリストになろうと頑張っている人にとっては、会社へ就職することは気の進まないことかもしれません。
しかし、「安定」が得られた先の生活というのを実際に体験してみると、多くの人が会社員生活から抜け出せなくなる気持ちがわかると思います。
会社員生活、この世に生存したいだけなら、意外と悪くないです。経済的苦痛からは解放されます。
でも、それ以上の価値に目覚めてしまった人にとっては、苦痛な世界かもしれません。
どこに自分の価値を置くかで、天国にも地獄にもなるものだと思います。