働く人の本音を世の中に生かす

自己破産した60代の男性がパート勤めで気づいた3つの大切なこと

 
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心理カウンセラー/調香師 「すべての人が自分らしく生きられる社会」を夢見て、心優しくも励ましが必要な人たちの手助けになればと思っています。 フレグランスデザインでは、あらゆる香りを創ることができます。
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伊豆の温泉街で出会ったある男性の話をします。

その男性は、温泉旅館で風呂掃除や片づけなどのパート従業員として働いている人です。お風呂上がりに、ふいに声をかけられたのがきっかけで30分以上も話し込んでしまいました。そして、人生にとって大切な教訓をライブで気づかせてくれました。

 

会社は倒産。そして自らは自己破産した60代の人生とは

 

静岡県伊豆のある温泉旅館での出来事。

私が夜11時ごろに温泉から出て、ちょっとした休憩所で涼んでいたところ、一人の男性が降りてきました。もうすぐ男女の浴場を入れ替えるということで、看板を交換しにきたのです。

 

夜遅かったので、実際には明日の朝に温泉に入るお客さんのために、入れ替え作業を行なっているようでした。その日は宿泊客が少なく、休憩所には私一人しかいませんでした。冷たい水を飲んで一息ついていると、従業員の男性が話しかけてきました。

 

「温泉のお湯はどうでしたか。湯加減は大丈夫だったでしょうか」

単純に湯加減が大丈夫かという確認だと思ったので、即座に「いいお湯でした。ただ、他のお客さんにとっては、ちょっと熱いお湯かもしれません」と答えました。

 

「ここのお湯は源泉掛け流しで湯温は97度もあるので、お湯の管理が結構難しいのです…」

と申し訳なさそうに言いました。

 

その従業員の方はもう70歳近い年齢で、近くのアパートから宿まで通って働いているとのこと。そして、この男性は、どうやらいろいろと訳ありの様子でした。たぶん、私に話しかけてきたのは、話のきっかけで、何かを話したい気分だったのかもしれません。

 

「実は、私、還暦を過ぎてから、ここの温泉宿に雇ってもらったのです。今、ちょうど4年目です」

65歳は超えているということで、年金生活していてもいいような風貌なのに、なぜまだ働いているのか。

 

聞くところによると、昔は不動産関係の会社を経営していた社長だったそうです。その社長がなぜ温泉旅館に・・・ということですが、会社経営に行き詰まり倒産の憂き目にあってしまったとのこと。倒産時は、借金取りが連日のように自宅に来たり、債権者への対応に追われたりと、ものすごく大変な思いをしたそうです。

姉からも「この人は死んじゃうんじゃないだろうか」と心配されたと言っていました。

 

1.楽観主義と真面目さが自分の人生を救ってくれた

 

そんな奈落の底に突き落とされたような仕事人生でしたが、なんとかやってこれたのは、自分の性格が持ち前の「楽観主義」のおかげだったようです。

どんな状況に置かれても楽観的能天気という表現をされていました)に考え、振舞っていたからこそ、そこで潰れなかったのだと強調されていました。

 

楽観的、能天気だからと言って、仕事をいい加減にやっていたわけでも、倒産時に適当にあしらっていたわけでもなく、楽観的でありながら真面目な性分は見失うことはなかったといいます。

つまり、「楽観+真面目」で、危機的状態を乗り切った、というか、自然に納まりがついたそうです。

 

ただ、そうは言っても、会社は倒産、自分は自己破産してしまった身としては、生活するにはお金が必要です。東京の家は処分して、ここの伊豆に移住し、温泉旅館のパート従業員として働くことにしたそうです。伊豆は、東京よりも家賃が安く、お店の数や種類はとても少ないけれど、住めば都で、快適に過ごしているそうです。

 

2.人はいくつになっても自分の性格や気質を変えることができる

 

さて、この男性、伊豆に移住をして、温泉旅館で働くようになって、変わったことがあったといいます。

それは、お客さんが伊豆に来てくれる、旅館に来てくれるということに対して、ものすごくありがたいというか、感謝の念でいっぱいになった、ということです。

 

こういうことは、会社経営をしている時には、わからなかった感情だったと、その男性は振り返ります。

 

2011年3月11日に東日本大震災があってから、津波の恐怖というのは日本国民に深く浸透したと思います。その影響で、海沿いの観光地には日本人をはじめ、外国人観光客も激減したといいます。というか、訪れる人が珍しく感じるくらいに閑散としてしまったそうです。

今まで観光バスが何台も駐車場に留まっていたのに、1台もこなくなってしまったというのです。

 

その時に「このままでは、ここの温泉旅館もダメになってしまうし、温泉街そのものがダメになってしまう」と非常に危惧したそうです。

 

伊豆といえば、その名を日本中に知られている有名な温泉街です。その有名な温泉街にまったく観光客がこなくなってしまったわけなので、観光業界はものすごく危機感をもったそうです。

 

従来は、黙っていてもどんどんお客さんが来てくれました。伊豆という地名が一種のブランドのようなものなので、大した努力もしなかったようなのです。

しかし、震災以降、環境が激変し、何もしなければ生き残りさえも危うい状況になったため「どうしたら観光客を呼び戻せるか」ということを必死に考えたそうです。

 

「こうしたら、お客さんに喜ばれるのではないか」「こうやったらどうだろう」とみんなで知恵を絞って、来てくれたお客さんに喜んでもらうためにアイデアを出し合いました。

そして、そのアイデアを実行に移していくと、少しずつ、お客さんが戻って来たそうです。

 

 

ある日、その温泉旅館の男性が外を眺めていると、今まで見かけなかった観光バスが近くにやって来ました。そのバスは、他の旅館への宿泊客を乗せたバスでしたが、「伊豆に観光バスが戻って来た!」と、大はしゃぎし、そして、そのありがたさに涙が止まらなかったそうです。

 

その時に初めて「お客さんがいるっていうことが、なんてすごいことなんだろう。なんてありがたいんだろう」と心から思ったそうです。

 

その時に、そのパート従業員の男性は、自分の性格が変わったことを自覚しました。「60年以上も人生を生きて、自分の性格なんて固まってしまったと思っていたのに、まだ変わることができるんだ」と感動したそうです。

 

3.ものの見方が変わっただけでいきなり幸せになった

 

それからの毎日というもの、朝が来ると「今日はどんなに素敵な1日になるだろう」とワクワクするようになったそうです。ささやかな日常だけれど、今は、毎日が楽しくて仕方がない、といいます。

 

その男性にとって、素敵な日常の出来事というのは、「お客さんと挨拶することができた」とか、「通勤途上で、きれいな野花が咲いているのを見つけた」という、ささやかなものだそうです。でも、それがものすごく貴重な体験に思えるとのこと。

 

旅館のパート従業員という立場からすると、給与もそれほど高くはないし、自宅にしているアパートも質素で、昔のような贅沢はできないといいます。
でも、昔よりも、はるかに楽しい日々だと言っていました。

 

 

このことからわかることは、状況が人の幸せを決めるのではない、ということです。この男性は、60歳を過ぎて自分の性格が変わるわけがない、と思っていたといいます。しかし、実際には変わりました。そして、自分が変わったことにより、世の中の見え方も変わった、ということなのです。

 

人の幸せは状況ではなく自分の心に左右される

 

その男性にしてみれば、確かに、昔に比べれば、かなり薄給ですし、東京のように便利な街で暮らしているわけでもなく、実に質素な生活だといいます。しかしながら、そのような日常が、このうえなく幸せだというのです。毎日、ワクワクしているというのです。

 

人は状況が同じであっても、物の見方が変わるだけで、幸せかどうかまで変わってしまう、ということを表しています。私は偶然にも、この男性から人生のドラマを聞くことができてとても有意義でした。

 

 

表面的な暮らしぶりだけを見ていたら、昔のほうがよかったかもしれません。でも、結局、その人の気持ちが変わっただけで、人生の意味付けさえも変わってしまったのです。

幸せは、周囲を取り巻く状況ではなく、心が決めると理解した瞬間だったそうです。

 

 

わたしは、とてもいいお話を聞いたと思いました。

しかし、、、かなり湯冷めしてしまったので、もう一度、温泉に入り直しましたが・・・。

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。

 

  • 楽観主義と真面目さがピンチを乗り切るツールだった
  • いくつになっても自分の性格や気質は変わることができる
  • ものの見方がかわるだけで自分を幸せにすることができる

…ということを気づかせてもらったように思います。

 

人生は不確実な出来事の連続ですが、それは自分にとって良い方向に向かうという可能性も大いにある、ということですね。

 

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