営業ノルマがきつい、達成できないと悩む、優しいあなたへの改善策4つ
会社の営業職に就いている方は、商品やサービスの売り上げノルマを達成するために、とてもしんどい思いをしています。
特に、ノルマ達成のために、「飛び込み営業に行ってこい!」…と言われた日には、ものすごく足取りが重くなってしまうのではないでしょうか。
仕事だからやらなくては、と思うとと同時に、どうせ営業に行ったって煙たがられるばかりだし、、、とネガティブになってしまうこともあると思います。
脈ありだ!と感じて、一生懸命に見込み客のところへ通っても、成約に至らなかったこともあるでしょう。
「今回も売り上げ目標を達成できそうもない、、、」
「こんなんじゃ、来月も目標達成できやしない、、、」
「もう自信がない、、、辞めたい…」
…そんなとき、どのようにすればよいのでしょうか。
今回は、営業ノルマが達成できないと落ち込んでしまった時の対処法を考えてみます。
1.営業するのはたった一人でいい
実は、私は営業職の経験はありません。
しかし、ただ一度、ノルマを課されて営業したことがありました。それは、ある会社関係の通信回線を法人に紹介して契約してもらう、というものでした。
私は、当時割り当てられた営業ノルマの10回線を大幅に上まわり、2倍以上の成約件数にこぎつけました。
でも、あちこち回ってパンフレットを配ったり、飛び込み営業したり、ということはやりませんでした。
そのようなことは、自分には向かない、と感じていましたし、事細かに営業ノウハウを教え込まれたわけでもありませんでした。
それでは、どのようにしたかというと、仕事上でお付き合いのあった取引先に対して、
「今度、うちの会社で、このようなキャンペーンを行うことになりました。つきましては、ぜひ御社にご協力いただきたいのです」
…とお願いしただけです。
「そんなことはみんなやっているよ!」
…と思うかもしれませんが、私はこれだけで、ノルマを達成しました。確か、部署では2番目の成績だったと思います。
お願いした取引先は、常日頃からコミュニケーションを取っており、仕事を発注するときには、いつも、相手に対して負担がないように、いろいろと調整してから仕事を渡すようにしていました。
こちら側がやらなくてもよいようなことでしたので、先輩達は省いている方も多かったのですが、なるべく気にかけて行うようにしていました。
おそらく、こうしたことが相手側にも伝わっていて「では、今回は協力しよう」と感じてくれたのではないかと思っています。
その会社のほとんどの電話回線を、私が提案した電話回線に乗り換えてくれました。
私は一人に営業しただけでノルマを達成することができたのです。
要するに、日頃の仕事を誠実に行う中で、たった一人でも信頼関係のある取引先を確保するだけで、そのバックにある数十回線を獲得することができたのです。
あなたというリソース(資源)には限りがあります。
あなたはあなた一人しかいませんし、1日に使える時間は最大でも24時間しかありません。
そのリソースを、飛び込み営業などで分散させるのは、かえって効率的ではないと思います。
日頃の誠実な仕事の中から、ひとりでもいいから、信頼できる関係を築いていくほうが、効率的なことが多いのです。
私以外の例では、こんな方がいました。
コンサルタントとして活動している人で、その人はほとんど営業活動をしていませんでした。
それでも、1ヶ月に何件もコンサルの依頼が来るといいます。
その方は何をしているかというと、お気に入りのショップの店長から、お客さまを紹介してもらっているのだそうです。
自分が好きでしょっちゅう通っているお店の店長と仲良くなって、そのお店に訪れるお客さまを紹介してもらっているのです。
この方も、信頼できる店長のバックにいるお客さんにアプローチすることによって、たくさんの顧客を獲得しているわけです。
こうして、日頃の誠実な関係を顧客獲得につなげているのです。
ですから、営業ノルマがきつい、どうにかノルマを達成したい、ということであれば、信頼できる取引先の人をひとり作ることです。
それは、常日頃からの誠実な対応から生まれて来るため、目の前のノルマ達成には結びつかないかもしれません。しかし、今からでも意識して誠実に仕事をすることです。それが、数ヶ月後に実を結ぶことになります。
2.相手と同じ方向を見るようにして話を聴く
私は営業職に就いたことがないので、継続的に営業活動を行なったという経験はありません。
しかし、会社では営業を受けたことはたくさんありますし、個人でも何度か高額サービスの営業を受けたことがあるので、そうした立場から、どうしたら成約に持っていけるかを考えてみます。
はっきり言って、私は、営業されたり、売り込まれたりすることが好きではありません。
ですから、仕事で営業をしなければならない人は、本当に大変だろうなぁと想像できます。
会社では、契約先をどこにするか決めるのには、複数の企業から課題に対する提案をださせて競わせるコンペ(コンペティション)を行ったりすることが普通です。仕様で差別化が難しい時には、単純に価格勝負で決めたりもします。
一応、選択するのには評価基準があって、評価項目に点数をつけて、最高点を取った会社と契約する、という選定方法が一般的です。
ただ、評価項目に点数をつけると言っても、杓子定規につけるのではなく、営業活動の内容によって、点数が上下することがよくありました。
点数をつけると言っても、その点数をつけるのは機械ではなくて人間だからです。
ここで重要なのは、「あの会社と契約するのが一番安心だ」という印象です。
その印象を醸し出すのは、この商品やサービスが個別の会社にもたらすメリットです。
そのメリットは、この商品やサービスを購入することにより、こんな素敵な未来が待っている、というイメージを沸かせることができるかどうかだと思っています。
個人としての契約案件でも、同じような高額商品で、あの人の説明では契約しなかったけれど、この人の説明では契約した、ということがありました。
それは、5百万円もするような商品であり、おそらく個人として今まで契約した中では最高額のものでした。
ひとりの営業マンは、ひたすら商品を勧めて来る、と言ったものでした。
私は、うっとうしく感じていたので、その営業マンが来ると逃げて対応しないようにしていました。
とにかく私の情報を聞き出そうとか、この商品がいかにいいものであるか、ということを説明していたのですが、それが嫌だったのです。
しかし、もう一人の営業マンは、売り込みをするというよりは、何か自分に解決できることはないだろうかと、私と対峙するのではなく、同じ方向(私が思い描く未来)を見ようと努力していました。
商品の説明は後回しで、私の心配事や課題をじっくり聴いてくれました。そして、購入した場合のデメリットなども説明してくれました。
そして、会社の利益を優先するのではなく、私のスタイルに一番合う商品は何かということを、時間をかけて一緒に考えてくれました。この一緒に考えていくというのが、「相手と同じ方向を見る」ということです。そのためには、相手の話に寄り添って、じっくり聴くということが必要になってきます。
結果としては、私の状況に寄り添った内容で契約することができました。
おそらくその商品を売る側としては利幅は少なかったかもかもしれませんが、結果として成約に至ったわけで、私にとっても、相手にとってもいい結果になったと思っています。
このように、相手にとってどのように問題解決することがベストなのか、ということを考えてから伝えると、成約に至るケースが増えると思います。私自身もそのような姿勢がうかがえる方々と契約してきました。
3.あなたが扱っている商品やサービスの好きなところはどこ?
営業するのであれば、あなたの扱っている商品やサービスには詳しいとは思います。しかし、本当にその商品やサービスが好きかどうか、と問われたらどうでしょうか。
イマイチな商品であれば、営業していても熱が入らないし、逆に後ろめたさも出てきてしまいます。そして、そうした態度は隠そうと思っても表に出てしまうものです。
しかし、扱っている商品やサービスが、あなたの好きなものであれば、あなたが相手に話す内容も、とても好意的な雰囲気が乗っかって来ると思います。
私の知り合いで、お弁当を売っている人がいました。
そのお弁当は、会社の重要な会議やお客様に出すような仕出し弁当で、1食3千円くらいするような高級なものです。そのニーズがあるかどうか、各企業をまわって営業するのですが、転職して1年目の新人なのに営業成績トップになってしまったのです。
「特に何をしたわけではない」と言っていましたが、その後もずっと好成績をキープしていたので、上層部からも信頼を獲得し、転職2年目でいきなり管理職に抜擢されたそうです。
それでは、営業先に行って、いったい何をしたのでしょうか。
彼女は、そのお弁当の感想を取引先に伝えていただけでした。
「このお弁当、本当に美味しいんですよ。私は毎日、このお弁当でもいいくらい」
…っていう感じで、本当に美味しいと感じた事実をそのまま伝えたそうです。
本当に美味しかったから、具体的にどのように美味しいのか、ということをリアルに伝えることができたのだと思います。
あなたが扱っている商品やサービスの本当に愛すべき点はどこなのか。
それを見つけて自分のものにすることです。そうすると、営業トークなんか勉強しなくても、すらすらメッセージが出て来ることでしょう。
4.営業職から降りる
今まで
「営業ノルマを達成するためにはどのようにしたらよいのか」
ということを中心に書いてきました。
しかし、それでもなお、しっくりこない方もいるかもしれません。
もしかしたら、その方は「営業」とか「マーケティング」に関する潜在能力が少ないのかもしれません。
要するに、営業そのものに向いていない可能性があるのです。
私が今まで営業部門に所属したことがないのも、人事部門の評価からして、私には営業の才能はなさそうだ、ということを嗅ぎ取ったからだと思います。
事実、私自身のプロファイリングデータを見ても営業やマーケティングに関する先天的な才能は見当たりませんでした。(自己評価でも営業には向いていないと思います)
もちろん、営業に関する潜在能力がなくても、後から努力することによって獲得していくことは可能ですし、必要に迫られて営業スキルを勉強している人も多いと思います。
しかし、そもそも営業に向いていないのであれば、それは逆風の中を走っているようなものなので、かなりのパワーがいりますし、しっかりとした精神力も必要かもしれません。
逆に才能がある人は、追い風で走っているようなものなので、同じ道を走っていても早く楽に走れるのです。
もし、営業の仕事自体が辛くてたいへんで興味もわかないのであれば、本当に向いていないのかもしれません。
そうであるならば、営業というステージを降りて、別のステージにあがりなおすことも考えた方がよいでしょう。
それは、いろいろな適職ツールをやってみたり、自分自身の歴史を振り返ってみると何か発見があるかもしれません。
実際に、営業関連の才能や能力があるかどうかは、プロファイリングでも調べることができます。
そこに適性がないのであれば、他の部署への配置転換を相談したり、転職を検討する時期にきているということです。
興味がある方は、ぜひご相談してください。
まとめ
「営業ノルマがつらい」という状況を改善するには、営業活動を成約に持っていくための考え方を意識すること、そして、それでも自信がないのであれば、営業職か降りてみることも検討すべき、ということをお伝えしました。
営業の考え方を意識するには、
- 営業するのはひとりでいい
- 相手と同じ方向を見る
- 商品やサービスの愛すべき点を意識する
…ということが有効であることを書きました。
営業成績をいきなりアップするような魔法はないからこそ、書店では営業関係の書籍があふれていると言えます。ただみんな、著者にとっては有効な方法であっても、万人に受けるものではありません。ですから、そうした書籍の内容を参考にはしても、あなた独自のスタイルを確立することが大事なのです。
ここでは、私の経験をもとに、営業ノルマで苦しんでいる方々が楽になるような方法を書いてみました。
もともと才能がある方は、飲み込みが早くて流れに乗ることができるかもしれません。
でも、努力しているのになかなか流れに乗れない場合には、そもそも営業という仕事とあなた自身がマッチしていない可能性があります。
ぜひ、自分自身のことを、もう一度見つめ直して、より自分らしいステージに立てるように考えていきましょう。