入社後の1週間で会社生活がすごくラクになる7つの行動
新卒の場合には4月、転職の場合には何月とは決まりはありませんが、会社で働く人にとっては、誰でも入社したとたんに新入社員です。さて、会社に入ったら、まず何をしたらよいのでしょうか。
ここでは、新卒の人を中心に書きますが、中途採用の方でも十分参考になる内容を記していきたいと思います。
1.研修のレポートをきちんと書く
特に新卒で入社した人については、新入社員研修というものがあると思います。たいてい一週間程度のところが多いです。東証一部に上場しているような企業は、もっと長い間、研修期間をもうけているところが多いかもしれません。
でも、ほとんどの場合一週間程度が一般的だと思います。それ以上だと、会社としても教育経費がかかりますし、新入社員としても、なかなか仕事が始まらない、といった中だるみにもつながってしまうからです。
さて、会社で行う研修ですが、終わりに内容の振り返りと、どのような学びを得たのか、という研修レポートを書かせられるというのがほとんどです。
これは、「まじめに研修を受けろよ」という会社側としてのメッセージでもあります。しかし実際には、人事部門が「この研修は有意義だっただろうか」と新入社員の評価を気にするとともに、来年度以降の改善に活かすために実施しているわけです。
それでもなお、研修レポート一生懸命に書く意味とはなんなのでしょうか。
新入社員はそれだけで、社内の注目を集める存在です。「今年はどんな社員が入ってきたんだろう」と社員一同、けっこう気にしています。
社内の先輩方は見ていないようで見ているのです。
そのような中、研修中に寝ていたり、やる気がないような態度を取っていると、上司や先輩のあいだですぐに噂になります。こうした噂は、一度ついてしまうとなかなか払拭できないものです。まさに「始めが肝心」なのです。
研修レポートは書類として会社内に残ります。だいたい、この手の書類の保存期限は1年間なので、少なくともその期間は社内で閲覧可能な状態にあるわけです。
ここで「一生懸命に学びました」という証拠を残しておくことが今後の評価や好印象につながっていきます。
私も研修レポートのみならず、研修後も自主的にレポートを提出したことで「この社員は真面目でやる気がある!」と評価され、その後の会社人生がスムーズにいきました。
それから、研修レポートばかりを頑張るのではなく、研修中には必ずメモをとるのを忘れないように。
研修レポートのネタ帳になるというのもありますが、メモを取ることで、一生懸命に研修をしていることをアピールするのです。
「最近の若者はメモも取らない…」というのは研修担当の社員からよく聞くフレーズです。
2.歓迎会のお礼を言う
研修が終わると、いよいよあなたの所属部門が決まり、各部門に配属されていきます。そうすると、数日の間にあなたを歓迎する「歓迎会」という飲み会が開催されます。配属前に研修部門の先輩が開いてくれることもあるでしょう。
この場合は、新入社員はタダで飲み会に参加できるのが普通です。
緊張して開放的にはなれないかもしれませんが、ここでは積極的に参加して「かわいい新入社員」を演じるのが得策です。それほど自分のことをアピールしなくてもかまいません。
また、知らない人ばかりだと気後れすることもありません。飲み会の中で集団のなかの孤独に陥るのではないかという心配も必要ありません。先輩方は新入社員に対して興味関心をいだいています。
大人しくしていても、先輩方があなたのことを知ろうと、積極的に話しかけてくれます。その質問攻撃や感想を述べよ攻撃に素直に乗っかっていればよいのです。こうして過ごすことによって歓迎会の2時間はあっという間に過ぎていきます。
大事なのは、歓迎会のその後です。
歓迎会が終わったそのときに「ありがとうございました!」としっかり伝えましょう。新入社員の最初の仕事は好印象を演出することです。これ以外にありません。
それから、歓迎会の翌朝。
歓迎会の幹事と思われる先輩や、席が近くていろいろお話をした先輩方には席まで行って「昨日はありがとうございました」とお礼を言いにいきましょう。
新入社員の最初の仕事は好印象を演出することなのです。
演出機会を逃してはいけません。
席まで行き、「ありがとうございました」と少しテンション低めで言うのがポイントです(静かなオフィスの朝なので)。
会社は組織で動いています。そして、その仕事の大部分は人間関係に依存しているのです。
媚びる必要はありませんが「かわいいやつ」と思われるのが第一です。
先輩方は素直な社員が大好きです。
新入社員の最初の仕事は好印象を演出すること、と覚えておいてください。
3.定款と就業規則を読む
これから、少し仕事っぽいことを話します。
入社する前に会社のホームページは読んできたと思いますが、会社に入ったら定款と就業規則をまず読みましょう。こうした基本的な情報は目立つところにファイルが置いてあったり、パソコンのネットワーク上(社内サーバ)などに保存されていることが通常です。
保管してある場所がわからなければ、先輩に聞きましょう。
定款
定款(ていかん)とは、会社の憲法のようなものです。会社にはいろいろな規定やルールが存在しますが、その最上位に位置するものです。
定款には会社の事業内容などが書いてあります。逆に言うと定款に書いていない事業はやってはいけないことになっています。だから、「うちの会社は一体どのような仕事をしているのだろう」と思って定款を見ると会社が行なっている全仕事を見ることができるのです。
定款は会社の骨格をなす基本的な文書ですから、必ず目を通しておくようにしましょう。意外と定款を読んだことがない社員が多いというのも事実ではありますが…。
就業規則
就業規則は会社の社員が守るべき基本的ルールが書かれています。定款が会社そのものを規制するルールであるならば、就業規則は会社の従業員を規制するルールになります。
就業規則で守るべきルールを破ってしまうと、場合によっては懲戒免職になるケースもあります。
内容を知らなくても違反すれば懲戒となってしまいますので、必ず目を通すようにしてください。
4.部署の名前と役割を覚える
会社は組織で仕事をしています。先ほどの定款に書かれている各種の事業をうまく運営するために、会社に担当部門をもうけて役割と権限を与えています。それが会社の組織や会社の部門と呼ばれるもので、たいていは組織図として社員には公開されています。
就業規則と同じ並びで「職制規定」として整備されていることもありますし、組織図としてホームページや会社の会議室などに掲示されている場合もあります。
これから自分がたくさんお世話になる部門はどこなのか、把握しておく必要があります。とりあえずしばらくは、人事部門や総務部門にはずっとお世話になると思いますので、その部門に所属する社員の名前から覚えていくようにしましょう。
総務部門:
総括事務を略して「総務」。会社のお母さん的部署です。給与計算や社員のための消耗品を買ったり、株主総会や取締役会などのいろいろな会議運営を行なったりします。人事部門が総務部門に含まれていることもあります。
経理部門:
会社の予算を作ったり、決算を行ったりして財務諸表を作成するのが仕事です。簿記の知識は必須と言われています。
営業部門:
外部から仕事を取ってくる部門です。ここが頑張らないと会社の売り上げが立ちません。会社が発展するかどうかは、この営業部門にかかってくると言ってもいいでしょう。
このほかにも商品開発部門や現場管理部門などがありますが、上の3つの部門はたいていどこの会社にもある部署の例です。
5.上司、先輩の名前を覚える
さて、部門の名前と役割を覚えたら、あなたの上司や先輩の名前を覚えましょう。まず配属された部門の人から。そして、あなたに関係の深い部門の社員の名前を覚えましょう。
結局、会社では他の社員とのコミュニケーションから仕事が始まります。その時に、先輩がどの部門の所属で、どのような仕事を行なっているのかを把握しておかないと誰に仕事の話をしたらよいのかわかりません。
まずは、会社から配付される座席表や電話番号表を見ながらだと覚えやすいでしょう。きちんとしている会社は、誰がどのような仕事を担当しているのかを一覧にした業務分担表を作っているところもあります。
6.最初はやる仕事がない→「何かできることはありませんか?」
さて、研修が終わって部署に配属されたら、すぐに仕事があるわけではありません。
最初は、いろいろな資料を渡されて「これらの資料を読んでおいて!」と言われることが仕事かもしれません。
まずはルーティーン(定型的な業務)の仕事が多いでしょう。
伝票の数字をパソコンで打ち込んでいくとか、同じことの繰り返しのような単純な仕事、先輩たちが面倒だと感じている仕事が回ってくるはずです。
毎年、毎月、同じような発信文書を通知しているような仕事があれば、過去の文書ファイルを参考に「この文書を参考に社内へのお知らせ文書を作っておいて!」と言うこともあるでしょう。社内の会議用の資料のコピーとかも多いかもしれません。
ただ、こうした定型的な仕事はいつもあるわけではなく、時にあなたが何もすることがなくなってしまうタイミングが出てくるかもしれません。
そのときは「何かできることはありませんか?」と素直に聞いてみましょう。
先輩方も仕事が忙しいので、新入社員のことは気にしつつも、ずっと構ってくれるわけではありません。ただ、ずっと「指示待ち」だと、自分にとっても時間が過ぎるのが遅く感じることになりますし、仕事をしていない自分が、なんだか居心地が悪いと感じるようになってきます。
「何かできることはありませんか?」と先輩に聞くと、何かしら仕事を与えてくれるはずです。先輩としても、「あ、今は暇なのか」と気がつくことになりますし、聞くこと自体、失礼なことではありません。
「今は特にないよ」と言われたら、ある意味「安心して」仕事がない時間を過ごせるわけす。もちろん、そうした時間は過去の資料を読んでいたり、会社の規定を読んでいたりして、仕事をしている体裁は整えておきましょう。
あからさまに「暇している」という状態はよろしくないです。
要するに、手伝う仕事があれば先輩もあなたも助かりますし、仕事がなければ、安心して仕事がない状態でいられるわけです。暇になってしまったら、とにかく「何かできることはありませんか?」と丁寧に聞きましょう。
7.控えめで素直であると思わせる
最後は「歓迎会」の項でも書きましたが、あなたのことを「控えめで素直な社員」と上司や先輩方に、それとなく雰囲気で伝えておくことです。
そのためには、
上司や先輩にとって、どのような新入社員だったら嬉しいかを想像するとよいでしょう。あなたは新入社員であるのだから、上司や先輩の立場になって考えてみることは難しいことかもしれません。でも、学生時代でも部活やサークル活動でどんな後輩が可愛げがあったのかを思い出すとわかりやすいでしょう。
元気でなくても目立たなくてもいいのです。ただただ、素直であることが大切です。
「俺は、私は、こんなにすごい人間だし、学生時代はこんなに頑張ってきましたっ!」
っていう自己アピールはもう少し先の未来まで待ちましょう。
就職活動に関する雑誌やウェブサイトで「リーダーシップのある新入社員を期待している」とか「イノベーションを起こせるような出る杭の社員を求む!」なんていう記事が多く出回っていますが、あれらは表向きのきれいごとです。
新入社員の時からそんな社員ばかりだと、上司や先輩はあんまりいい顔をしません。
結局、現実の会社はまだまだ保守的な空気に支配されているのです。
会社のなかで「自分らしさ」を発揮するのは、上司や先輩に「かわいいやつ」という印象を与えてから。
焦らずに時期を待ちましょう。幸か不幸か、まだまだ日本の会社はそのような場所なのです。
プラスアルファ
お金の手続き面について、考えておいたほうがいい事項を少し。
- 財形には必ず入っておく(普通財形で1万円以上。できれば2万円)
- 企業年金の活用は評価がわかれる(今のお金を使えずに未来に繰り越してしまうから)
財形は利率も良いし会社による利子補助もあります。
引き出すのが面倒が預金なので、天引きで自然と貯蓄されていく優れた制度です。財形貯蓄をまったくやらない、というのは絶対に避けましょう。最初はきついかもしれませんが、手取りの1割は財形に回しましょう。できれば2割にチャレンジ!
最初の手続きを済ませてしまうと、財形の増額などは面倒臭くてやらなくなってしまいます。
私のオススメは、いきなり毎月4万円を財形に預けることです。
どうしても苦しくなれば、面倒でも減額の手続きをすれば良いわけですから。
反対に、増額の手続きというのは、甘えてしまってなかなか踏み切れないものなのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
入社してからすぐにやるべきことをまとめました。
- 研修のレポートをきちんと書く
- 歓迎会のお礼を言う
- 定款と就業規則を読んでおく
- 部署の役割と名前を覚える
- 上司、先輩の名前を覚える
- 「何かできることはありませんか?」と聞いてみる
- 控えめで素直であると思わせる
・・・ということが大切だと書きました。
結局、会社というのは人の集合体で動いています。だから、どうしても人間関係が大事になってきます。あなたがシャイな社員でもよいのです。気を使いすぎることはありませんが、とにかく挨拶と素直な返事をしていれば、好印象を与えることができます。
自分にとって会社の中に「良い場」をつくっていくのです。
これから、社会の一員として過ごして行くわけです。心地よいスタートを切って、素敵な会社生活を目指しましょう。