なぜ会社では理不尽が横行するのか/その対処法は?
会社に入って働いていると、しばしば納得できない事態に遭遇します。
最初は何もわからないから言われるがままに素直に仕事をしていきますが、会社の事情がわかってくる入社3年目くらいになると、会社の理不尽な点に気がついてきます。
小さな理不尽なら「まぁ、こういうこともあるよね・・・」と受け流すこともできるかもしれません。
でも、あなたにとって、著しく影響が出るような出来事だったら、ずっと気になって悩んでしまうかもしれません。
今回は、会社にはびこる理不尽への対応方法です。
理不尽とは
理不尽とは、道理に合わないことです。要するに、あなたにとって納得いかないことです。
擬音語で示すと「はぁぁ〜〜〜!?」っていう音が頭の中で響き渡ったら、それは理不尽な出来事に出くわしてしまったということです。
どんなときに理不尽を感じるのか
会社のなかでは、どんなときに理不尽を感じるのでしょうか。
くじかれた意図
あなたが「こうしよう!」と強く考えていたことが理由もなくダメになってしまった場合。
こういう時に理不尽を感じます。
「せっかくこうしようと思っていたのに、なんなんだよぉ〜」と叫びたくなるでしょう。
例えば、
あなたが新入社員のためにマナー研修を企画したとします。上司からも「とりあえず計画してみてくれ」と言われたので、良い研修内容にしようと意気込んでいました。
会場を確保したり外部講師を探したりと、いろいろと準備をしていました。そして、いよいよ実施のめどが立って、契約書を作ろうしたところ、「やっぱりマナー研修は必要ない」という上司の判断がありました。
理由は「とりあえず作った計画をみてから判断したかった」ということでしたが、「今までの私の苦労を返してよっ!」と思うでしょう。
あなたが「こうしよう!」と考えていた意図がくじかれてしまったのです。
挫かれた挙句に理由も納得いくものではありませんでした。
こうして理不尽を感じるようになります。
満たされなかった期待
あなたが以前から憧れていた部署に人事異動になる、といううわさを耳にしました。どうやら「ほぼ確定」のようです。今の仕事に魅力を感じていなかったあなたは、ようやく、ここから脱出して、自分がやりたい仕事ができそうな部署に行けると期待していました。
ところが、人事発表の日。
あなたの憧れていた部署に行ったのは、あなたの同期でした。
「なんだんだよー。私のはずじゃなかったの!?」
と不満やるかた無い感じですが、人事というのは発表があるまで確定するものではありません。
それはそうとわかるのですが、「絶対にあの部署に行くのは自分だ」と思っていたあなたの期待は満たされませんでした。仕方がないことですが、こうしたことも理不尽に感じますね。
届かなかったコミュニケーション
あなたは商品企画の打ち合わせを1ヶ月前から準備していました。早くメンバーに周知したほうがよいと思って、会議室も確保して打ち合わせの日程をメンバーにメールで伝えました。
その後、打ち合わせに向けてあなたが一生懸命に資料の準備を始めていたとします。
打ち合わせ当日、時間になっても会議室には誰も来ません。
「どうしたんだろう・・・」と心配になって、みんなを呼びに行きました。
職場のみんな:「あ、打ち合わせ、今日だったけ?」
打ち合わせのことはみんな忘れていたのでした。
「せっかく、かなり前から周知していたのに、どうして!?」と悲しくなるかもしれませんが、もしかしたら、周知の時期が1ヶ月前と早すぎて、“早めに周知”という行動があだになってしまった可能性があります。
それでも、あなたのメッセージは、結局は届いていなかったわけですから、それこそ、どんな勘違いがあったにせよ理不尽に感じるわけです。
なぜ会社には理不尽が横行するのか
なぜ会社には理不尽なことが多いのでしょうか。本当に「どうして、こんなことが起きるわけ!?」と叫びたくなるようなことが多発します。
みんな理不尽なことは嫌いなはずなのに、会社の中では次々と理不尽が生まれてくるのには、理由があります。
それは、「理不尽なことをしている人は“自分は正しい”と思って行動している」からです。
「自分は正しい」という思考と行動が、他の人の「自分は正しい」という思考と行動がぶつかり合って理不尽が生まれるわけです。理不尽なことをしてくる人は、自分が理不尽なことをしているとは思っていないのです。
たとえば、仕事のやり方を上司に相談したとします。
「昨日作成した取引先との契約承認文書は、総務部長や経理部長にもハンコをもらっておいた方がよいでしょうか」
「いや、この件について、総務部長は関係ないからハンコをもらう必要はない」
「わかりました。経理部長だけハンコをもらってきます」
ということで、経理部長だけに文書を持っていったところ、「なんで、総務部長にハンコをもらわないんだ!総務部長に説明するのは当たり前だろ!」と怒られたとします。
あなたは内心「だって経理部長だけでいいって、上司に言われたからなのにっ!」と思って理不尽に感じるでしょう。
この場合「あ、私の上司が総務部長にはハンコをもらわなくていいと言われました」と、自分の判断ではないことを主張することもできます。
しかしながら、「人のせいにするな!(…人のせいなのに)」とか、「なんで、上司の意見をおまえは受け入れたんだ」とか、それこそ理不尽な対応を受けるわけです。
「上司にハンコをもらわなくてよいと言われました」
「そうか、それは俺が悪かった」
・・・とはならないのです。
これもやはり相手側にも「自分が正しい」という意識があるからです。
会社の中は、多くの人が閉じられた空間の中に長時間滞在しているところです。その狭い空間のなかで「自分の正しさ」と「相手の正しさ」がいろいろなところでカオス状態でぶつかり合っているのです。だから、理不尽にあう確率が高くなり、結果として、あなたが理不尽な目にあうことばかりになります。
理不尽な目にあったらどうしたらよいのか
会社には理不尽があふれています。
それは、残念ながら、あなたのいる会社だけでなく、日本中のどの会社に行っても理不尽だらけなのです。そして、それは大きな会社、伝統のある会社になればなるほど顕著になります。
では、理不尽な目にあったら、どのように対処すれば良いのでしょうか。
ポイントは3つあります。
会社は理不尽なことがたくさんあるところ、と受け入れる
会社では、OLやサラリーマンという立場は同じでも、価値観が違う人たちで構成されています。違う価値観が仕事の場でぶつかりあるのですから、そこに理不尽が生じる土壌があります。
そもそも、会社とは理不尽が発生する場である、ということを受け入れるしかありません。それは、他の会社に転職したとしても同じことなのです。
会社には理不尽があるところ、と認識しておけば、余計な期待感を持たずに済みます。
あなたもやがて「理不尽」な振る舞いをする予備軍である
あなたも年齢を重ね、勤務年数が長くなってくると、昇進するかもしれませんし、誰かの上司として役職に就くことがあるかもしれません。そのときには、かつてあれほど苦しんだ理不尽な振る舞いを、こんどはあなたがするかもしれないのです。
「私は間違っていない」という認識や「仕事だから仕方がない」という判断で間違っているかもしれないが仕方がない、という大人の事情で理不尽なことをしてしまうかもしれません。
そのように考えると、理不尽な目になっても、一呼吸置くことができるようになりませんか。
理不尽に出会わない体質になる
「理不尽に出会わない体質になる」って、
そんなこと、できるの!?と思うかもしれませんが、できます。
ゼロにはならないかもしれませんが、かなりの確率で理不尽な出来事に遭遇することが少なくなります。
少しだけいうと、理不尽を風のようにいなせるような自分になるということです。そのように意識する、とか、思い込むという強引な方法もあるかもしれませんが、世の中には、楽にできる方法があるのです。
キーワードはマインドフルネス。
その具体的な方法については、長くなるので、別の機会に章立てしたいと思います。
まとめ
今回は会社の理不尽について考えてみました。
会社のなかは、働く場として社会につながってはいますが、同時に物理的にも心理的に閉じられた空間でもあります。そこに大勢の社員がいるわけですから、どうしても価値観のぶつかり合いの頻度が高くなるわけです。
そこに理不尽が生じる原因があります。
それでも、そうした理不尽に凹まないような自分、そして、理不尽が生まれる頻度を軽減して、ストレスを軽減していきたいものです。