会社員でも自分らしく生きるための素晴らしい方法が1つある
会社の中で、あなたは好きなことや得意なことを仕事にしているでしょうか。そうであれば、一生懸命に目の前の仕事に打ち込むことで充実感が得られると思います。自分にフィットした仕事に巡り会えて、とても幸せだと思います。
しかし、もし、やりたくない仕事や得意でない仕事をしていたら、どうでしょうか。好きなことを仕事にしている方も、面倒な業務の1つや2つはあると思います。でも、まったく自分に合っていない仕事に従事していると思っているならば、かなりストレスを感じているのではないでしょうか。
それでも、生活をしていかなくてはならないので、仕事を辞めるわけにいかないと悶々としてしまうかもしれません。
そのような時は、どうしたら良いのでしょうか。
パラレルキャリアという考え方
会社員が自分らしく生きるためには、仕事に対する使命感や充実感、それから、仕事が好き、という感情が必要だと思います。そうした中では「自分は天職に巡り合った」と感じるでしょう。
しかし、そうではない場合には、「目の前の仕事を好きになりなさい」と言われて「はい、好きになりました!」とはならないとお思います。どんな仕事も社会の役に立っていて、一つひとつは大切な仕事であることには変わりありません。しかし、自分の仕事に情熱が持てないと、なかなか充実感が得られないのではないかと思います。
そこで、「パラレルキャリア」という新しい働き方を考えてみます。
パラレルキャリアとは、本業のほかにもうひとつ、自分がやりたい仕事を持つことです。
これは、いわゆる「副業」ではないか?
…と思う方もいるかもしれませんが、副業というとお金を稼ぐ手段をもうひとつ得る、ということ主眼をおきますが、パラレルキャリアでいう「もうひとつのキャリア」は稼げるお金はごくわずかでも「自分の好き、得意」にフォーカスする考え方です。
そして、実際には、お金が稼げていなくても「お金を稼ぐ可能性」を育てる、ということでもよいのです。
要するに、本業があまり自分に合っていないのであれば、自分にフィットした仕事(のようなもの)をもうひとつ持ちましょう、ということです。
なぜ、これが「自分らしく生きるための方法」なのでしょうか。
会社側としては、会社の仕事に専念できるように副業を禁止したり制限したりするところのほうが多数派だと思います。そうした中で、こっそり副業をするのは、気がひけるかもしれません。
そこで、副業ではなく「キャリア」を自分の中に育てていく、ということに注力します。
仕事が終わったアフターファイブや休日を利用して、自分の好きなことや興味関心があることを始めるのです。
「それって、趣味ってこと?」
…と思うかもしれませんが、純粋な趣味ではなく、将来的に収益があげられるようなレベルを目指します。「自分の好きなことでお金を稼ぐには、どうしたらよいのだろう」ということを意識するのです。
もうひとつのキャリアがあなたの支えになる
仕事が生活のほとんどを占めていた場合、その仕事がイマイチであれば、あなたの生活もイマイチになってしまいます。そこで、あなたの好きなことを、本業と一緒にパラレルで伴走させることで、本業のイマイチなところを和らげるのです。
そして、あなたの好きなことをやっている時間は、至福な時なのですから、会社でのイヤなこともその時は忘れることができますし、結果としてストレス解消にもなります。
あなたの生活の中に、「自分の好きなこと」を取り入れることで、日常生活に「自分らしさ」を取り戻すことができます。好きなことや得意なことをやっている時、まさに「自分らしい時間」を創出しているのです。
あなたの時間に「自分らしい時間」が一本パラレルで入ってくることになります。
さらに、ストレス解消した身体で、また本業に戻っていくわけですから、底上げした状態で会社の仕事にも望むことができます。
こうしてプラスのスパイラルを生み出すことができるのです。本業にも良い影響をもたらすパラレルキャリアの効用です。
パラレルキャリアの効用
そもそも本業一本の会社員で良いのでしょうか。
これは、本業一本の会社員が安定しているようで、必ずしも安定しなくなった時代を反映しています。
会社に一生懸命に尽くしても、会社の業績が悪くなればリストラされることもありますし、さらに会社自体が倒産してしまうこともあります。平成28年の倒産件数を見ても全国で8446件もの企業が倒産しています。
リストラや倒産に遭遇しなくても、自分が行なっていた仕事が、なんらかの事情でなくなってしまうこともあるでしょう。大幅賃金カットや、あなたが行なっていた仕事自体が、もうイヤでイヤで仕方ない状況になってしまうこともあります。
こうした不確実性をはらんでいることが、本業一本に全精力を注いでしまうことのリスクとなります。
その一本がなくなってしまったら、アウト、なのです。
パラレルキャリアとして、もう一つ自分の好きなことを育てていると、万が一、本業がダメになってしまっても、「もうひとつのキャリアでご飯を食べていく」という希望が出てきます。そして、この思わぬタイミングで「自分の好きなこと」に仕事をシフトできるかもしれないのです。
もうひとつのキャリアがセーフティネットになる。
これは今、本業を頑張っている人にとっても、いい精神安定剤です。
もうひとつのキャリアの見つけ方
「そうは言っても、自分にやりたいこととか思い浮かばないし・・・」
「やりたいことがないから、とりあえず会社に勤めているわけだし」
…という方もいるかもしれません。
好きなことや、やりたいことが決まっている人は、もうひとつのキャリアで「これをやろう!」とすぐに行動できます。しかし、そうでない場合には、どうしたらよいかわからないかもしれません。
興味関心があることを書き出す
自分の好きなことや得意なことがすぐに思い当たらない人は、紙を出して、自分が少しでも興味があることを書き出してみましょう。頭の中で、なんとなく渦巻いている内容を外に出して眺めてみることは、自分を客観的に観察することになります。
- 植物には癒されるかも
- そういえばハーブティをよく飲む
- 釣りはやったことないけれど機会があればやってみたい
- 文章を書くのはまあまあ好き
- 夏休みにはいつも島めぐり旅行をしている
- テレビはドキュメンタリーをよく見ている
…などなど、書き出していきます。
こうした書き出しの中に、深掘りできるものがないかを探してみるのです。
ハーブティを飲むのであれば、ハーブ園に行ったり、ハーブセミナーを受講してみると、さらに興味の花が咲いて目覚めるかもしれません。
島巡りをしているのなら、日本にどんな島があるのか、本を買ってきて読んでみるといいかもしれません。
まずは、自分なりのフック(何かを引っ掛けるもの)を意識していくのです。
自分史を作ってみる
興味のあることを書き出してもピンとこない場合には、自分が生まれてから今日まで、どんな生活をしていたのか年表を作ってみることです。
今の年齢をからさかのぼって、印象に残った出来事などを、1つの年齢につき3行くらい書いてみるといいです。
だんだん子供の頃にさかのぼっていくと記憶も曖昧になってきますが、「こんなことをしていたなぁ」と懐かしむように思い出すと、何かしらの映像が出てくると思います。
ここでのねらいは、自分の過去にヒントがあるはずだ、ということです。こういう習い事をしていたとか、こういう遊びをやっていたとか、こんなことが好きだった、という過去に情報を求めていくことです。
ここからも、自分の興味関心のフックが浮かび上がってくると思います。
身近な人に聞いてみる
あなたの頭の中で考えていることを書き出したり、自分の歴史を振り返ってみることは、自分自身の主観です。
でも、他人から見たあなたには、自分自身も気がつかないような特徴が発揮されているかもしれません。
「私って、どんな仕事が向いていると思う?」
と聞いてみると、自分では当たり前に思っていたことが、他の人にはすごい才能だと思われていることがあるかもしれません。
「なんか、いつも人の話を聞くのがうまいよね。こっちがとても話しやすい」
というのも、自分ではよくわからないけれど、あなたを特徴づける才能かもしれません。
こうして、自分では気づかないことを相手に教えてもらうと言う方法があります。
私のパラレルキャリア
私自身は会社員として仕事もしていましたが、平日の夜や休日に専門学校に行ったりして、もうひとつのキャリアを模索していました。
最初に通ったのが、法律の専門学校です。
大学の法学部を卒業したので、仕事も法律関係が良いのではないか、という安易な発想で、さらに法律的知識を深めるために土日を勉強に当てていました。
実際には、司法試験を受けて弁護士になろうと思ったのですが、レベルが高すぎて2回受験して不合格になり、諦めました。
次に、コミュニケーション能力にコンプレックスのあった自分は、心理学の学校に通います。週1回、1年間通って、最終的には心理カウンセラーの資格を取得しました。
好きなことではなく、自分のコンプレックスを克服しようとして通った学校でしたが、自分らしく生きるために心理学を活用する、というその内容が面白く、とてもはまってしまって一生懸命に勉強した覚えがあります。
それから、香りの学校です。
自分には楽譜も読めないし、楽器を演奏したりする才能もなく、絵も下手でイラストなどはとても描けないような人間です。しかし、そんな自分でもアートに関しては興味があり、博物館や美術館にはよく行っていました。
そのような中、香りの学校があることを知り、「香りという素材は目に見えないのであるから、それをデザインするということは自分でもできるのではないか」と思って都内のスクールに通ったのです。
そこでは3年くらい学びましたが、後半は先生とマンツーマンでみっちり修行をして、今でも自分のライフワークとなっています。
こうした、かすかなフックを頼りに、自分の興味がありそうなことをたぐり寄せていくという感じでした。
本業は残業もたくさんあって忙しかったのですが、基本的には土日が休みだったので、その時間を使って、もうひとつのキャリアを育てていきました。
パラレルキャリアの問題点
いままで、いろいろとパラレルキャリアの良い面を見てきましたが、100%いいことばかりではなく、イマイチな点もあります。
忙しくなって時間がなくなる
本業のほかに、もうひとつ活動するというのは、やはりエネルギーがいるということです。このエネルギーは、時間や労力、費用といったものです。
日常生活の中に、いままでやっていなかった内容を入れ込むわけですから、さらに忙しくはなってしまいます。あまり体調がよくないときは、いくら興味のなる内容だとしても億劫な時もありました。
しかし、トータルで見れば、興味のあることなので楽しいことですし、日常生活に変化が出ていい影響であったと思っています。
お金がかかる
私の場合は自分だけでキャリアを育むのが難しいと思ったので、学費を払って学校に通っていたので、結構、お金はかかっていると思います。
しかし、それは「費用」ではなくて、自分に対する「投資」だと思っていました。
きっと、学費に使ったお金は、時間はかかるかもしれないけれど、自分の中で大きく育つはずだと思っていました。
ひとそれぞれ、使えるお金の金額というのは違うと思いますので、月にいくらだったらなんとかなるのか、その制限のなかで、自分の興味を実現できることを探していく、ということになると思います。
あとは、お金をかけずにキャリアを育てるということも可能です。図書館に行って本を借りて勉強するとか、学校に通わずともスキルを見つける術はたくさんあります。
キャリアは必ずしも学校に通って資格を得るというわけではないのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
もし、今の仕事に疑問をもっているのであれば、まずもうひとつのキャリアを育ててみるパラレルキャリアという生き方を実践してみることをお勧めします。
私もこの考え方で、人生の幅が広がったように感じます。
- 会社員でも自分らしく生きるためにパラレルキャリアという手段がある
- もうひとつのキャリアは自分の興味関心のある内容を選択する
- やりたいことがわからない場合には「紙に書き出す」「自分史を作る」「身近な人に聞く」
- 問題点は多忙になったりお金がかかることがあること。でも、それは克服できる内容でもある
会社員の方は、どうしても本業が大きな割合を占めるので、もうひとつのキャリアを育てようという気にならないかもしれません。でも、会社員という安定した身分でありながら、自分の中にもうひとつのキャリアを育てることができるという条件には恵まれています。
そのキャリアが育ってくると、きっと自分を支える柱になるでしょう。
あなたの日常生活の中に、ぜひ「自分らしさ」を取り戻してください。