働きすぎてしまう人の3つの特徴と自分らしい働き方を取り戻す2つの方法
定時のチャイムがなっても、仕事が終わらずに、ほとんど毎日残業、と言う方は多いのではないでしょうか。
特に「上司から依頼されたことは優先してやっておかないと・・・」と自分を追い立てている人や、「まだまだ完璧な資料にならない・・・」「もう2案くらい企画を考えておかないと・・・」と不安を抱えている人は、いつも遅くまで仕事をしています。
また、「仕事はもっときちんとすべきだ!」という信念のもと、人一倍熱心に資料を作成する人も、残業が多かったり休日出勤したりしています。
決められた就業時間以外でも、ひたすら仕事をしていると、疲れとともにストレスが増大してきます。過大なストレスを抱えたまま一生懸命にやっても、やがて精神が消耗し、頑張りたくても力が入らない事態に陥ってしまいます。
働きすぎのスタイルは身を滅ぼしてしまうのです。
働きすぎのスタイルを選んでしまう人の特徴
働きすぎの人の中には、理不尽なほど仕事量が多くて会社の定時なんてあってないようなもの、という人もいますが、自分で働きすぎのスタイルをとってしまう人もいるのです。
こうした、つい働きすぎてしまう人の特徴というのはどのようなものなのでしょうか。いわゆる「3強」と言われる特徴があります。
不安感が強い
そもそも不安感からついつい働きすぎてしまう人です。
仕事をする能力が低いと感じている
「一生懸命に仕事をしていないと自分の人事評価が下がるのではないか」
「みんな頑張っているのに、自分はあまり頑張っていないのではないか」
「自分に能力がないぶん、もっと仕事をしないといけないのではないか」
…と、このようなこと考えているとすれば、それだけ長時間労働のスタイルに引き込まれていってしまいます。要するに自分に対する不安感が自分を仕事に駆り立ててしまうのです。自分で自分にプレッシャーを与えているのですね。
なんども見直したり作り直したりする
自分自身に自信がなくて仕事に対しても不安を覚える人が、ついつい仕事を長時間がんばってしまいます。
「この資料で大丈夫だろうか」
「誤字脱字など、間違えはないだろうか」
…と、何度も確認してしまったり、もう一度、一から資料を作り直したりして、仕事に時間を要してしまうのです。
間違った資料を作るわけにはいかない、と正確な資料を作る努力をするわけです。
これは、とてもいいことではあるのですが、何度も見直しても間違えが見つかる時もありますし、ほぼ100%出来上がっていたとしても、なんども見直すので、仕事のゴールが見えてこないのです。
長時間労働で満足感を得ようとする
必要な要件を満たした資料ができたとしても、もうちょっとクオリティを上げようとして、頑張ってしまうことがあります。こうして長時間仕事をしていると、自分の中に「仕事をやった感」が出てきて、その感覚が生じるまで仕事をしてしまうのです。
これは、その人の感じ方なので、仕事の出来栄えがどうこうという話ではないのですが、「仕事をしていない」という不安感を消し去るために、長時間労働によって「仕事はやった!」というお墨付きを自分で自分に与えたいのです。
「仕事をやった感」は仕事にかけた時間によってもたらされる感情なので、残業したり休日出勤が増えたりしてしまうのです。
責任感が強い
「上司に言われた仕事は優先してやらなければ」
「明日までにやっておいたほうが現場が楽になる」
「私がやってあげることで後輩の仕事がうまくいくはずだ」
…など、このようなことで、一生懸命に仕事をしてしまう人もいます。要するに責任感が強いわけです。その責任感が強いがゆえに、自分を犠牲にしてまで頑張ってしまうのです。
こうした人も長時間労働になりがちです。自分の責任を全うしたと評価できるまでは、プレッシャーから解放されずにいるのです。
正義感が強い
正義感が強い、というのは責任感が強いことと似ているかもしれませんが、自分の信念に沿って仕事をしているため、結果として頑張りすぎてしまうということです。
例えば、
「プレゼン資料はオリジナルの図形を使って100ページ以上作るべき」
「役職がついている社員こそ、メンバーが帰るまではずっとオフィスに残っているべき」
「会社のために身を粉にして働くものこそ評価されるべき」
..そうした自分の信念を守ろうとして頑張ってしまうのです。頑張らないと自分の中にある信念を貫けなかったことになり、自尊心が破綻してしまう恐れを感じているわけです。
働きすぎのスタイルから解放される方法
そもそも自分に対する不安感であったり、責任感であったり、正義感であったり、こうしたものが根底にある以上、簡単には解消できるとは思えません。
しかし、働きすぎスタイルがずっと続いてしまうと、やがて健康を害したり、精神的なダメージを被ってしまうリスクが飛躍的に高まるのです。いくら屈強と言われる社員であっても、そうそう長い間は続くものではありません。
こうした働きすぎスタイルは、どのようにしたら解消できるのでしょうか。
顔を上げて周囲を見てみる
不安感や責任感、正義感は、自分の世界に焦点が当たっています。自らが見ている範囲そのものがすべてだと思い込んでしまっているのですね。
もちろん、常に世界の中心にいるべきは自分自身であるのですが、もうすこし視界を広げてみたり、遠くを見てみたりすると、違う価値観で職場が動いていたりします。
なぜ、あなたはいつも遅くまで仕事をしているのに、隣の部署の後輩はいつも早く帰ることできるのでしょうか。職場の中に、一度も休日出勤したことがない人がいるのはどうしてなのでしょうか。
はたして定時に帰宅しているような人は、みんなダメな人なのでしょうか。人事評価は良くないのでしょうか。
他人が作った資料も、もしあなたが「イマイチだなぁ」と思っても、それが会社の正式な文書として流通している資料はたくさんあると思います。
イマイチな仕事が前提であっても、結局それなりに会社も回るし、仕事も回ってしまうのです。
あなたがいるポジションに、働きすぎではない社員がついたら、職場はダメになってしまうのでしょうか?
そんなことはありません。あなたがいなくても、会社は何事もなくまわっていくのです。
よって、あなたが働きすぎる必要はないのです。働きすぎの状況は、実は自分が選択してしまっていることを知るべきです。
自分が大切に感じていることに耳を澄ます
あなたは、会社に全精力を傾けて働いていると思いますが、それがあなたの理想の姿なのでしょうか。
夜遅くまで残業して、休日出勤もしているような働きすぎの状態を選んでいるのであれば、そうしたスタイルを選ばない、ということもできるはずです。
24時間、365日、職場のことだけに身を捧げる生活でいいのでしょうか。
本当は、もっと自分の時間を確保したい、もっと休みたい、遊びたい、ということを感じているのではないでしょうか。
結局、何が自分にとって最優先事項なのかということを今一度、あなたの心のうちに問うてみることです。
もし、あなたの考える理想の姿と、今の現実がかけ離れているのであれば、あなたの理想とするイメージと、あなたが必死に守っている現実とのギャップがありすぎて、ストレスは極大化されてしまいます。
本来理想する姿が本能だとすると、それを理性の脳が抑制している状態が続いているのです。この本能と理性の乖離が過大なストレスの発生やうつ病の原因であるということは大脳生理学的にも知られてします。
あなたの本当の理想はなんなのか、本当はどうしたいのか、を考えて、その本能からのシグナルに少しずつ現実を合わせていくことです。
今まで3時間残業していたならば、2時間に短縮してできるところまでをやる。そして翌月はさらに1時間短縮する、など、少しずつ変えていけばいいのです。
もし、不安感が払拭されないのであれば、例えばあなたが作った資料を、先輩や後輩に見てもらって誤字脱字を指摘してもらうのも良いと思います。
それに、長時間やれば「仕事をした感」が出るというのは幻想です。実際に長時間の労働をしていない人の資料だって、社内にふつうに流通しているのですから。
あなた自身の理由で働きすぎのスタイルを選択しているのであれば、そうではないスタイルを選択することもできるのです。あなたがいちばん大切にしていることに耳を傾けましょう。
そして、その小さな声が発しているスタイルに自分を合わせることが、幸せな人生を生きていく一歩になっていくのですから。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
働きすぎのスタイルを選択する人の特徴は次の通りでした。
- 不安感が強い人
- 責任感が強い人
- 正義感が強い人
そして、働きすぎのスタイルから解放される方法としては、
- 顔を上げて周囲を見る
- 自分が大切に感じていることに耳を澄ます
…ということでした。
働きすぎのスタイルは実は自分が選んでいることが多いのです。そこから脱却するためには、自分の世界だけにどっぷり浸かっていないで、顔を上げて周囲をよく見てみることです。頑張らなくても実際には何事もなく職場が回っていることを見ることができるでしょう。
それに、働きすぎのスタイルは、かなり建前に傾きすぎているスタイルであるとも言えます。自分自身の本能に照らしてみて、それが心地よくないのであれば、スタイルを本能に合わせていきましょう。
自分自身を生きていかないと、やがて自分が破綻してしまいます。
本当に自分らしい生き方を自分自身の世界にしてください。