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企画部の仕事は社長と会話をして会社の方向性を決めること/経営計画策定の7ステップ

 
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会社の企画部で一番大きな仕事は「経営計画の策定」です。

経営計画は、3カ年の「中期経営計画」を指すことが一般的ですが、今後の売上高や利益の目標を立てて、そのために何をしていくのかを計画します。

経営計画の策定方法に関する書籍やネット情報では、難しいこともたくさん書いてありますが、ここでは、すぐに計画づくりに取りかかれるように実務的なことを記述していきます。

 

経営計画策定の7ステップ

 

経営計画の作り方には流れがあります。その流れに従って作っていけば、それなりの計画は出来上がります。さっそく見ていきましょう。

 

ステップ1:会社の立ち位置を確認する

 

現在の立ち位置を確認します。立ち位置とは、「いったい今の会社はどの辺のポジションにいるのか」を把握することです。

 

収支状況を把握

昨年度までの財務諸表を見て収支状況(売上高と費用、利益)を確認します。まずは、損益計算書、貸借対照表を確認し、売上高は下がっていないか、利益はきちんと出ているかを見ていきます。

収支がだんだん悪くなっているのであれば、それこそ「なんとかしなければならない」と言うことになります。

 

昨年度までの実績を確認したら、当年度の収支の見込みも把握しておきましょう。

このまま年度末を迎えると、どのくらいの売上高、利益になるのかを経理部門に計算してもらいます。

ざっくりと把握するのであれば、月の平均値をそのまま12ヶ月で伸ばして1年間の見通しを立ててみれば良いでしょう。

8ヶ月で1億円の売り上げがあるのであれば、12ヶ月では1.5億円になるだろう、くらいのイメージです。

その際、年度末付近に大きな売り上げの計画があるのであれば、それも見込んで計算しておきましょう。

 

課題の洗い出し

 

会社や職場での課題をピックアップします。収支の課題は、「売上高が下がってきた」などと数字で判断できるのでわかりやすいのですが、数字で現れないような課題も書き出します。

 

例えば、
・職場内で情報連絡がうまくいかずに混乱することが多い
・手書きの書類が多くて効率的でない
・給与への不公平感が高まっている
…などです。

 

こうしたことは、企画部員の感覚で気づいていることがあるかもしれませんが、のちに社内に周知するときに納得感を出すために、事実に基づいて整理をしておくと安心です。

「情報連絡がうまくいかずに混乱した事例は何か」

「手書きの書類とはどのようなものがあるのか」

…ということを調査しておいて一覧表にまとめておくのです。

 

きちんとやりたい場合には、社内アンケートをとったり、各部署の課長や、若年層の代表者にインタビューして情報を集めます。

そうした情報の中で「これは!」と思うものをいくつかピックアップして、経営計画に反映していくのです。

 

将来やってくるリスク

 

これは将来的に会社に影響を及ぼしそうな法改正やイベントなどを書き出しておきます。

例えば、
東京オリンピックが開催されると建築資材の調達が難しくなるのではないか

派遣法改正によると当社の賃金体系も見直す必要があるのではないか

…といったことです。

 

特に大きな影響があるものについては、経営のパワーもそれなりに注がないといけないので、考慮しておく必要があります。

後になって慌てないためにも、計画段階でしっかりと確認しておきましょう。

 

ステップ2:経営方針を確認する

 

現在の会社の置かれている状況や収支の見通しを整理したら、社長をはじめとする経営層に相談する機会を設けます。

その際には、ステップ1で整理した資料を見せながら相談すると良いでしょう。

 

ここでは、経営側の指示を引き出すのではなく、経営の方向性について印象や関心ごとを探ることに重点をおきます。30分間でもよいので、フリートークをしながら経営層の思いを聞いておくと、大きなズレがなくなります。

ここで確認することは次の2つです。

 

「経営者としてはこれからどうしていきたいですか」

 

会社をどのような方向に導いていきたいのか、そのベクトルを探ることになります。

「社員がやりがいを持って働くことができてお客様にも満足してもらえる会社に!」
…というようなスーパー抽象的な回答が出てくるかもしれませんが、もうちょっと具体的なところまで掘り下げていきます。

 

「やりがいを持ってもらうために、給与を大幅に上げてしまったりしても良いですかね?」と聞けば、「給与は前年並みの考えだが、仕事をやりやすくするとか・・・」という言葉が出てくれば、「給与には手をつけたくないんだな…」とわかります。

 

「課題については何が優先度が高いと思いますか」

 

会社の中で課題と考えられるものはたくさん出てくると思います。課題を解決するには、たいてい、お金や人的パワーがかかることが多いものです。

その中で、予算やマンパワーをかける優先順位について、どのような思いをもっているか。これは、経営者の関心ごとを探る質問になります。

 

何に関心があるのか、経営者が変われば価値観も変わりますし、同じ経営者であっても、その時の状況によって関心のウエイトも違ってくるでしょう。

その辺を探っていくことがポイントです。

 

ステップ3:会社の理想像を思い描く

 

会社には経営理念というものがあり、これは会社の存在意義でもあります。なぜ、この会社を立ち上げたのか、そもそもの理由です。

ほとんどの会社はスローガンのように文章にしています。中期経営計画も、最終的にはこの経営理念に紐づく形になります。

 

その経営理念に近づくためには、これからの3カ年、どのようにすればよいのか。経営計画の策定はそれを考える作業でもあります。

「こういう会社だったらいいのにな・・・」という思いを企画部の中で言葉にしていきます。

次に、その言葉を分類していくのです。

 

収支に関すること

売上高を増やして会社を大きくしたい、とか利益を出して社員に還元していきたい、など収支に関することです。

売り上げを伸ばす、費用を圧縮する、利益を拡大する、将来のために投資する、などが考えられます。

例:売上高が右肩上がりでガンガン稼げる会社になるといいな!そうすれば社員の給与も上がるはず!

 

法令遵守に関すること

現代は、企業がきちんと法令を守っているのかどうかが信頼のポイントにもなってきます。労働基本法を遵守しているとか、必要な安全教育がされているか、など、就職を考える学生たちにとってもホワイト企業であるための要件にもなっています。

うっかり法令違反をしないような仕組みを経営計画の段階でチェックしておくことが必要です。

例:派遣法が改正されるので法令を守ってホワイトな企業だと思われたい!

 

社会貢献に関すること

企業の社会的使命も重要視される時代になりました。社会貢献を行うことで「良い会社のイメージ」も定着すると新規の営業活動でも気持ちよく仕事ができるはずです。

例:低炭素化社会(CO2排出削減)に企業としても力を入れたい

 

サービス向上に関すること

将来的に安定的に収益を上げていくには、常にサービス向上に取り組まなくてはならないことは、どの企業も一緒だと思います。いわゆる「顧客満足」に関することは、経営計画の段階でも入れておきたいものです。

例:もっとリピーターになってくれるお客様を増やしたい

 

業務品質に関すること

お客様に対する業務品質はサービス向上にもつながりますが、社員の働き方を効率化したり、精度を高めたりすることも最終的には会社全体の品質を向上されることにつながります。

例:残業も減らしたいし仕事のミスがなくなるような仕組みを作りたい

 

他にもあると思いますが、以上のような要素に分類して整理していきます。

 

それらを経営理念や経営層の思い、現在の会社の立ち位置を横目で見ながら取捨選択していく作業を行います。

一番重要なのは、収支に関することですから、理想の売上高や利益目標を計算して、「来年度は売上高10%アップを目指そう」などと、頑張ればギリギリ達成できるかどうか、というラインのちょっと上あたりに目標を置くの通例です。

その数値目標を達成するためにどうすればいいのかを次のステップで考えていきます。

<例>
・売上高を当年度見込み額の10%アップとして1.65億円を目標とする
・営業利益は10%アップさせる

 

ステップ4:目標達成に必要なやるべきことをリストアップする

 

目標は掲げただけでは達成しないので、その目標をクリアするには、何をすれば良いのかを考えます。

例えば、売上高を10%アップさせたいのであれば、
・営業にまわる件数を5割り増しにする
・新しいサービスを2つ開発する
…などの施策を検討していきます。

 

ステップ5:行動目標の期限を決める

 

個人の場合もそうですが、企業でも締め切りがないとなかなか行動に移せないものです。

そこで、一つ一つの施策に「いつまでに完了させるか」という期限をつけていきます。例えば、新しいサービスを2つ開発するのであれば、1つは2年後の9月までにリリースする、というように開発期限を設けます。

 

ステップ6:経営層に確認してもらう

ステップ5までの作業で出来上がった計画を、経営層に見てもらいます。最終的には経営会議で承認されたものが正式な経営計画となります。

ここでようやく全社員に周知するステップになります。

 

ステップ7:社員に周知する

社員への周知の方法はさまざまですが、各部門のリーダー(部長など)に説明をしたのち、リーダーから社員に説明してもらって周知するスタイルが一般的です。

いきなり社内のイントラネットなどに掲載して一斉に周知する場合もありますが、人数が多い会社ほど、部長から課長へ、課長から部下へ、という形で周知します。

 

周知した後の活動としては、各部門の業務計画の策定という段階になりますが、今回の記事では割愛します。

 

良い経営計画とは

良い経営計画は、社員が自分ごととしてイメージできるもの、前向きなもの、です。

経営計画を見ることによって、会社が将来どのような方向に進んでいくのかのイメージができて、社員が安心したりやる気が出たりするのものなのです。

 

「経費をガンガン圧縮する」というような言葉が随所に出てくれば、気落ちしてしまう社員も出てくるかもしれません。

経営危機に瀕した会社であれば、「会社を再建するためにしばらくは緊縮財政で頑張ろう!」と団結することもできますが、それが長期に渡ると「本当にこの会社は大丈夫なのか」と心配になってしまいます。

 

不確実な環境であっても、明るい将来がイメージできるような経営計画が必要です。

また、いくら明るい将来がイメージできたとしても、そこに納得感がないと、絵に描いた餅、になってしまいます。

「確かにこの施策を進めていけば売り上げも上がって給与も増えるかもしれないな」などというような納得感が必要です。納得感があって初めて社員は「自分ごと」として経営計画に描かれた目標や施策に一生懸命取り組もうとするものなのです。

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。

経営計画策定の7つのステップは次のようなものでした。

ステップ1:会社の立ち位置を確認する
ステップ2:経営方針を確認する
ステップ3:会社の理想像を思い描く
ステップ4:目標達成に必要なやるべきことをリストアップする
ステップ5:行動目標の期限を決める
ステップ6:経営層に確認してもらう
ステップ7:社員に周知する

 

経営計画は会社の理想と職場で働く社員、そして社会を結ぶツールでもあります。

経営企画部に代表される企画部門は、こうした会社を動かすエンジンに携わることになります。どうすることが会社にとって、そして社員、社会にとってよいことなのか。

そうしたバランス感覚を持って計画を作っていきたいものです。

 

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