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面倒な仕事を引き受けてしまう“人の良い社員”は損?

 
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心理カウンセラー/調香師 「すべての人が自分らしく生きられる社会」を夢見て、心優しくも励ましが必要な人たちの手助けになればと思っています。 フレグランスデザインでは、あらゆる香りを創ることができます。
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あなたの会社では「人の良い社員」という方がいるでしょうか。

 

会社で人が良い、というのは、面倒な仕事を引き受けてくれる人です。真面目で控えめな人が多いですが、やる気があって使命感を持って仕事をしている人にも多いです。

真面目で控えめな人は、面倒な仕事を頼まれても、よほどでない限り、断らずに引き受けてしまいます。

 

やる気があって使命感を持って仕事をしている人も、「誰もやらないのなら、私がやるっ!」と、仕事を避ける自分が許せないために頑張ってしまう人です。

 

このような社員は、知らず知らずのうちに、その性質を会社や他の社員に利用されてしまいますが、やはり損な役回りなのでしょうか。

 

会社は仕事を退ける社員ほど責任や業務量から解放されて得する仕組み

 

ほとんどの会社では、自分に仕事が回ってこないように、うまく立ち回っている社員が何人かいると思います。そして、そのような社員は、最低限「自分の仕事」と呼ばれるものだけを囲ってしまい、他の業務を入れないようにします。

 

「それ、私の仕事じゃありません」

「うちの部署じゃなくて、そっちの仕事でしょ」

…という具合にバリアを張るわけです。

 

バリアに跳ね返された仕事は、「人の良い社員」のところに回ってきます。
こうして、「人の良い社員」のところには、面倒な仕事が蓄積されていくのです。

 

他の社員にとっては、とてもありがたい存在ですが、だからと言って、特別に感謝されるわけでもないのです。「人の良い社員」の悲しさはこのようなところにあります。ある意味、ただ働きです。

残念ながら、表面的には、仕事を受けないようにうまく立ち回る社員が得する場所が会社です。

その理由は、会社での雇用契約上の仕組みにあります。

 

ほとんどの会社は、始業から終業まで社員を拘束して、その時間に見合った賃金を労働対価として支払います。そして、残業時間の多少はありますが、毎月、ほぼ一定の給料が銀行に振り込まれる仕組みになっています。

 

要するに、毎日会社に出社してさえすれば、毎月ほぼ同じ金額を手にすることができるのです。
これが日本の会社です。

 

このような仕組みだとどうなるか。

 

勤務時間中はなるべく仕事を引き受けずに、うす〜く過ごした方が、少ない労力で同じ金額の給料を得ることができます。会社の中では、仕事をしないほうが得なのです。

でも、あまりに仕事をしないと、人事評価に関係するのでは?…と思うかもしれません。

 

「仕事をしないやつ」というレッテルを貼られると確かに人事評価は下がって、来年度の昇給額は少なくなってしまう可能性が高いでしょう。

ただし、その差は、標準的な社員と比べても、たいした金額の差ではないのです。せいぜい月額2千円から3千円くらいの差です。そうすると、1時間くらい残業をすれば、すぐに追いついてしまうような金額なのです。

だから、面倒な仕事ほど、他人に押し付けて、なるべく自分のところに仕事がこないように意図するのです。

 

こうして、もっとも仕事を寄せ付けなかった社員が、仕事量あたりでいちばん高い給与単価を得ることになります。

真面目に頑張っている社員からすると、なんだか理不尽に感じるかもしれませんが、これが給料の仕組みなので仕方がありません。

 

つい仕事を引き受けてしまう「ひとのよい社員」の嘆き

 

人の良い社員は、表立って不満を口にすることは少ないです。面倒な仕事も「私、やります」と言って、淡々とやる人が多いのではないでしょうか。

 

また、使命感を持って頑張っている社員は、職場がうまく回るように、仕事を工夫したり、雑用と思われるような仕事を率先してやったりします。

 

そうして、引き受けた仕事は、もしかしたら、最初は「助かった!」と気にしてくれる社員もいるかもしれません。しかし、次回からはその仕事の担当になってしまったりします。

それでも、引き受ける社員は、グチとしてアウトプットすることは少ないのではないでしょうか。

 

しかしながら、このような人の良い社員も、会社のみんなが帰宅したオフィスで、ひとり遅くまで残業しているような状況になると、「なんで、私が、こんなことをしているんだろ・・・」と虚しくなったりするものです。

こういうときに、自分の立場の悲しさを実感するのです。

 

面倒な仕事を引き受けてしまう社員は損なだけなのか

 

雑用と呼ばれるようなことも含めて、面倒な仕事を引き受けてしまう人にとっては、仕事量あたりの給与単価の低下や、自分の時間が奪われたり、背負わなくてもよいはずの責任を負ったりして、損なことばかりです。
(だから、他の社員は引き受けないわけですが…)

 

しかし、こうした「貴重な社員」は、会社にとっては真っ先に必要な社員でもあります。

 

「なんで私だけが、こんな大変な目に…」と感じても、そんな社員のことを、人知れず、しっかり見てくれている人もいるのです。

それは、上司だったり、同僚だったり、部下や後輩だったりするかもしれません。

 

会社というところは、なるべく本音を隠して生活するところです。ですから、自分のことを他人がどのように思っているのかは、非常にわかりにくいのです。

だから、たった一人で苦しんでいるように感じるかもしれません。

 

でも、「ちゃんと、見てくれている人はいる

 

表面的には、損な役回りだとしても、信頼であるとか、好印象であるとか、そう言ったプライスレスな価値を静かに創造しているのです。

 

このことは、あなたに大きなトラブルが起きたり、ここぞ、という何かの出来事が発生したりしたときに、表面化します。

 

少数かも知れませんが、深い信頼を勝ち得ている人の良い社員は、真っ先に救われたり考慮されたりする筆頭になるのです。

 

みんなから理解されなくてもいいのです。実際に救ってくれるのは「みんな」ではなく、ごく一部のキーマンです。そうした見えない価値を創造していると思ってください。

 

人の良い社員が、今まで自分がやってきたことが間違っていなかった、と感じる瞬間があります。

ある意味、その瞬間のために、日々、地道なあり方を実践しているのです。

 

私も、仕事を断れないような気の弱い社員でしたが、重大な局面でキーマンに救われたことがあります。それまでは、そんなに自分のことを考えてくれているなんて思ってもみませんでした。むしろ、そんなに仲良しではないと感じていたくらいです。

 

会社では「人の良い社員」は確かに損な役回りです。

もし、あなたが、損な役回りをしている社員であったも、他の社員には真似のできない価値を創造していることを忘れないでください。

 

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