今の仕事が「自分には合わない」と感じた時の対処法
しばらく仕事をしていると、「今やっている仕事が自分にはあっていないような気がする」とか「前にやっていた仕事のほうがよかったなぁ」と感じることがあります。
合わない仕事をずっとやり続けるというのは、とても辛いことです。このようなとき、いったい、どのようにすれば良いのでしょうか。
合わない仕事をやっていると出てくる不都合
今の仕事が自分には合わないというのは、自分と仕事がフィットしていないということですから、いろいろと不都合も出てきます。
もし、あなたが自分にとって合わない仕事をしているのであれば、こんな症状が出ていませんか。
仕事のミスが多くなる
合わない仕事というのは、自分が得意でない内容が多いものです。得意でないことには、どうしてもミスが付きまといます。
例えば、数字ものが苦手なのに、売上高の計算や分析をすることがあなたの仕事だったとしましょう。
ただでさえ、数字が苦手なのに、毎日、大量のデータと格闘して集計したり、なぜ、売り上げが落ちたのか、ということを分析して報告したりしなければならないのです。
そんなとき、集計ミスや分析の観点が違っていたりして、間違った報告を上司にしてしまうかもしれません。そうすると、上司は、まちがったデータに基づく判断をしてしまうリスクが生じます。
これが計算間違えであっても、重大な判断ミスにつながることがあるのです。ミスが多くなるということは、こうした危険性の頻度も高まってしまうことを意味します。
時間が経つのが遅く感じる
自分が「この仕事、合わないんだよなぁ」と感じていることを、毎日やっているのですから、時間が経つのが遅く感じます。
「まだ、お昼にならないのか・・・」
「定時まであと2時間もある・・・」
…と言った感じです。
これでは、自分の感覚の中では、長時間の苦痛が生じるだけです。これが毎日だと、朝、会社に行くのがとても億劫になってしまいます。
小さなことに不満を感じる
合わない仕事をしていると、自分に不利な仕事の流れが来ると、その拒絶反応も大きくなります。
例えば、商品の売上表がヒット商品順に整理されていないで渡された時には、「ちゃんと整理してから私にちょうだいよっ!」と文句も言いたくなるような心境です。
要するに、そもそもやりたくない仕事なので、他人のせいで自分に負荷がかかるのが許せないのです。こうなると、周囲の人に対しても、あまりいい印象を持たれなくなりますし、あなたにとってもストレスが溜まる原因にもなります。
これが、売上表を集計する仕事について、自分にはあっている、という社員が行う場合には、「いいよ、いいよ、私が並べ替えはしておくから」と快く仕事を引き受けるわけです。
自分にフィットしていない仕事をやり続けるのは、周囲にとってもよろしくないですね。
今の仕事が合わない!と感じた時にやるべきこと
もし、あなたがやっている仕事が「自分には合っていない」と感じた時には、どのようにしたら良いのでしょうか。
あえて突っ込んで勉強する
今の仕事をやり始めてから、それほど時間が経っていない場合には、仕事に慣れていないことや知識不足によって、フィット感が得られていないことがあります。
その場合には、あえて今の仕事の根本までさかのぼって勉強してみるのです。
根本とは、あなたが行なっている仕事の目的や会社の中での位置付けです。
会社としては、なぜ、この仕事が業務として成り立っているのでしょうか。そして、この仕事をやらなくてはならない理由はなんなのでしょうか。
あなたがやっている仕事の存在理由を問うのです。
仕事というのは、誰かがやった仕事があなたのところに流れてきて、そして、あなたがやった仕事を、さらに後の工程の人に流すのが通常です。あなたの仕事の位置付けはどのようになっているでしょうか。
先ほどの商品の売上集計の仕事でいうと、実際に商品を売っている社員がいて、その社員が書類にした伝票をあなたのところに持ってきているのです。そして、あなたは、その伝票をまとめて売上集計を作って、その結果を上司に報告する。そして、上司は、売上データを見て、商品を入れ替えたり、ヒット商品の在庫を増やしたりする戦略を立てるかもしれません。
こうした流れの中に、あなたの仕事の位置付けがあるのです。
こうしたことをよく勉強して行くと、あなたが行なっている仕事の重要性や意義がわかって来ると思います。こうした認識を深めていくことで、フィット感が出て来ることがあります。
もうひとつは、今やっている仕事のやり方にマニュアルがあるか、ということです。規定やマニュアルがあるのであれば、もう一度、読んで見ましょう。そうして、いまの仕事のやり方がマニュアル通りなのか、ずれているのか確認するのです、
マニュアルとずれているのであれば、マニュアルのやり方に戻るのが最善の姿か、もしくは、今のあなたのやり方のほうが理にかなってる可能性もあります。
こうやって、あなたがやっている仕事を自分自身に引き寄せて行くのです。
仕事を変えてもらうように関係者に掛け合う
今の仕事に就いてから、年数が経っているにもかかわらず、「自分には合っていない」と感じているのであれば、仕事を変えてもらえるように関係者に掛け合う時期に来ています。
仕事の目的や位置付けを勉強して、新たな気づきが得られれば、フィット感が増すことがあるかもしれません。しかし、改めて勉強したところで、効果が見込めないのであれば、いよいよ上司をはじめ関係者に話をする段階かもしれません。
まったく仕事に対するフィット感が得られないのであれば、あなたが持っている才能とかけ離れたことをしている可能性があるからです。
そうすると苦手分野で悪戦苦闘することになり、あなた自身もストレスですが、会社にとってもよい状況とは言えません。こうしたときには、正直に今の仕事が自分には合っていないことを伝えるべきでしょう。
そして、どのような仕事だったら、今よりも快適にできるのかをきちんと知らせることです。
会社が仕事の業務分担を変えたり、部署間の人事異動をしたりするのは、マンネリ化を打破するということもありますが、社員の教育的観点もあるのです。
会社側としては、なるべく多くの仕事の経験をしてもらって、何でも対応できるスキルを育てたり、ものごとを広くみる視点を持って欲しいと考えて仕事を変えるのです。
しかしながら、こうした会社の配慮に、あなたの仕事のフィット感が合致しない場合もあります。会社の教育的観点からは、あまり問題ない事項かもしれませんが、ミスやストレスが増加するのは会社にとってはよい現象ではありません
あなたがより良い職場環境を手に入れるためには、あなたも会社側にメッセージを送る必要があるのです。
私が以前在籍していた会社にも、現場で肉体労働をしていた若手社員を教育的観点から、事務処理を中心した仕事に人事異動させたケースがありました。会社の上流工程も知ってもらって、将来的には指導者として会社に貢献してもらおうと考えての措置だったようです。
しかしながら、その若手社員は1年も経たずに会社を退職してしまいました。
現場での作業はとてもハツラツとしてやっていましたが、取引先との電話調整や書類作成といった仕事が、どうしてもその若手社員にとってはフィットしなかったようです。
そのようなことで、仕事上のミスも多く、時間内に事務処理を終えるのもひと苦労だったようです。
そして、なんらメッセージを発することなく会社を去りました。
本当は、現場作業に戻してあげれば、退職することもなかったのかもしれません。
会社側も教育的観点から良かれと思って人事異動をした手前、後には引けず、すぐに元に戻すという決断はできなかったようです。こうして、貴重な正社員を失ってしまったのです。
まとめ
あなたにとって合わない仕事を続けることは、ミスが増えたりストレスの原因になったりすることを述べました。
そして、その状況を改善するには、あなたが実際に行なっている仕事について、さらに突っ込んで勉強すること、それでもダメなら、会社の関係者に掛け合って仕事を変えてもらうことの必要があります。
今のまま、昨日と同じような過ごし方をしていては、状況は変わりません。水面に石を投げると波紋が広がるように、何かしらアクションを起こさなけば、水面は今日も真っ平らなままです。
自分がどのような職場環境を理想としているのか、信頼している社員に話してみましょう。