困った時ほど本音を言うのが効果的!つい相手が引き受けてしまう仕事の頼み方
職場でも、プライベートでも、あまり機嫌が良くないと、ついつい言い方がきつくなってしまうことがあります。
同じ内容のことを伝えるにも、言い方ひとつで結果がわかってしまうことがあります。もっとスムースにいくはずだった仕事も、ちょっと言い方がよくなかっただけで、こじれてしまって面倒な事態になることも。
本当は、だれでもうまく仕事を回していきたいはず。
言い方がきつくなってしまいそうな時、ちょっと一呼吸置くだけで、とたんに事態が好転していきます。
でも、ひと呼吸おくって、いったい、どのようにすればよいのでしょうか。
本当に困った時は力技ではうまくいかない
会社の人事部に、営業スキルアップのための社内研修会の取りまとめを頼むとします。
「研修の分担は人事部なんだから、そっちでやってよ!」
「営業に関することは、営業部の仕事に決まっているじゃないか。こっちに回すなよ!」
…っていう具合にもめてしまうことがあります。
仕事を頼むにしても、言い方がきついと、「こっちでやってやろうかな…」と思っても素直になれないものです。
機嫌の良し悪しは気まぐれなので、そのままの心持ちでコミュ二ケーションしてしまうと、あまり上手くいかない、ということが往々にあります。
でも、相手の承諾させてしまうような言い方があるのです。
本音を語る
会社の中は建前で出来上がっているので、本音が登場する場面というのはありません。会議という正式な場であっても、自分の本音ではなく、自分の役職や所属部門の「立場」の論理から主張してしまいがちです。
特に機嫌が悪い時には、ただ単純に怒りの感情をチラ見せするだけで、本音を出そうとはしないものです。
それに、機嫌が悪いのは事実なので、その気持ちをストレートに出した方が発散できてストレスが減少するのではないか、と思いがちです。
自分の機嫌が悪いことを見せまいと平静を装うと、内面と表情とにギャップが生まれて、その隔たりがストレスになります。
先ほどの例で言えば、本当は営業部はアップアップなので、とてもじゃないけれど、研修成果の役員報告まで間に合わないので、人事部の助けが必要だったのです。
しかし、そうした「ヘルプ・ミー」ということは言えずに、所属部門だとか、立場という鎧(よろい)を借りて、他部門に戦いを挑んでしまうのです。
先ほどの例について言えば、伝えたいことは、「この研修の取りまとめを今回は人事部でやってほしい」ということでした。
こちら側が相手にへりくだってお願いするのは、まるで「負け」のような気がしてきます。だから、「こちらの言い分が正しいのだ」と正当な理由をつけて、相手に押し付けようとするのです。
でも、本当の気持ちは、「期末で人手が足りずに忙しいから、なんとか手伝って欲しい」というところではないしょうか。
本来のそうした気持ちを見せることが、相手の理解を促す第一歩だと言えます。
さらに、口から出る言葉の表現です。不機嫌な気持ちの勢いのままに出してしまうと、頼みごとが命令になってしまいます。
「とにかく、やってくれよ!」って感じで・・・。
言いたいことはひとつでも、表現は無限なのですから、ここは優しい表現を選びたいものです。
さきほどの例でも、「営業に関係する研修会ではあるけれど、月末で人手も足りずにどうしても困っている。本当に申し訳ないと思うが、今回は助けてくれないか」
…と頼めば、人事部も考えてくれるのではないでしょうか。
こうした言い方は、不機嫌な気持ちからは出にくいかもしれません。
でも、本来の目的は人事部に、研修の取りまとめをやってもらうことなのです。優しい言い方を選んで、相手が承諾してくれれば、それで目的は達成されるのです。
そして、その達成された目的のおかげで、今まで不機嫌だった自分の気持ちも、いきなり改善してしまうのです。
まとめ
意識すれば、10件のうち3件くらいは、「いま自分は不機嫌な気持ちでいるな…」と客観視して対応できると思います。
意識していないと、今まで通り10件中10件が不機嫌な対応、言い方をしてしまい、相手とのコミュニケーションが上手くいかないケースが増えてしまうでしょう。
職場は本音の話をすることが極めて少ない場所です。だから、ここぞという時には、「本当の本音」を伝えることで、相手を動かすことができるのです。