もうすぐ新入社員!入社前にやっておくべき5つのこと
なんでも初めてのことっていうのは、希望もあると思いますが、不安の方が大きいと思います。入社する会社は、どうしても入りたくて仕方がなかった、というくらいに惚れ込んでいる場合には、希望のほうが大きいと思いますが、そうでない場合には、やはり不安が募るものです。
それでは、内定が決まってから会社に入るまでに、なにをしておけば良いのでしょうか。
1.会社のホームページを見ておく
就職活動する時に、気になった会社については十分見ていると思います。
しかし、あなたの入社する会社がどのような歴史をたどってきたのか、
どのような部署があるのか、ということをもう一度、よく見ておきましょう。
入社後に飛び交うであろう商品・サービス名や業界用語などになじみやすくなるイメージを作っておくためです。
(1)会社の沿革
企業のホームページには「会社の沿革」というコーナーがあります。
たいてい、「会社情報」というページの中に記載されていることが多いです。
例えば、今やゲーム業界を引っ張る「任天堂」のホームページを例に見てみましょう。
会社情報TOPから「会社の沿革」というページを見てみると、任天堂は明治22年創業ということで130年近くの歴史があることがわかります。実はかなりの老舗(しにせ)なのですね。
創業当時は、花札の製造で身を立てたようです。今は任天堂というとゲーム会社のイメージしかありませんが、昔、家に任天堂の花札があったのを覚えています。花札から、より多くの遊びの種類があるトランプに比重を移し、つい最近まで、花札やトランプの会社だったということがわかります。
そして、会社が大きく変化したことを世間に印象づける商品が「ゲーム&ウオッチ」でした。これはもう、ほぼすべての小・中学生が持っているほど国民的なカード型のゲーム機でした。
さらに進化して、平成2年に家庭用テレビゲーム機「ファミリーコンピュータ」を発売。これで、一躍、花札やトランプの会社ではなく、ゲームのトップ企業に躍り出たわけです。
頑固一徹、職人のように花札やトランプだけを作っていたら、今のようなエンターテイメント企業にはなっていなかったでしょう。果敢にチャレンジし続けて業態を大きく変貌していったことがわかります。
こうした歴史を見ているだけでも、任天堂がどのようなDNAを持った企業なのか、雰囲気がつかめると思います。
これから入社する会社なのですから、そもそもの成り立ちを知っておくことは、会社への親近感やこれからの未来を想像するのに役立ちます。入社して先輩とコミュニケーションを交わす上でも、土台となる情報です。
(2)社長の挨拶
「社長の挨拶」は通常、あまり読まれないページではありますが、入社までに読んでおきましょう。
ほとんどの場合、きれいごとしか書いていません。
しかし、会社経営はトップの意向に沿って仕事をしていくので、きれいごとであっても、社長がどのようなビジョンを持って経営しているのか、知っておく必要があります。
入社していきなり社長とお話しする機会はないかもしれません。しかし、話す機会があるとすれば「社長挨拶のあのメッセージがとても印象的でした!」と引き合いに出せば、社長は「読んでくれていたんだ」と喜びますし、好印象を与えることができます。
(3)会社のサービス
会社のサービス・商品にどのようなものがあるのか、確かめておきましょう。その会社について、あなたが知っているサービス以外にも、いろいろなことをやっているかもしれません。
例えば、任天堂に入社したとしても、必ずしもゲーム関連の仕事につくとは限らず、他の業務に携わることになるかも知れません。例えば、任天堂といえはゲームのイメージしかないですが、実施にはいろいろなことをやっています。
<任天堂の例>
1. トランプ類の製造および販売
2. 娯楽用具、運動具、音響機器および乗物の製造および販売
3. 事務用機器および事務用品の製造および販売
4. 教材、育児用品、家庭用品および電気用品の製造および販売
5. 印刷、出版および紙製品の加工および販売
6. 合成樹脂、金属および木製品の加工および販売
7. ゲーム、映像および音楽等のコンテンツの制作、製造および販売
8. 前号のコンテンツに係る電子応用機器および装置の開発、製造および販売
9. 医療機器および健康機器の開発、製造および販売
10. コンピュータソフトウェアの開発、製造および販売
11. コンピュータネットワーク等を利用した情報処理および情報提供サービス事業
12. 電気通信事業ならびに通信関連技術の開発および販売
13. 放送事業ならびに放送関連技術の開発および販売
14. 不動産の売買、賃貸借、管理および仲介
15. 金融業および有価証券の売買
16. 損害保険代理業および生命保険募集業
17. 飲食店、売店および娯楽場の経営および投資
18. スポーツ、映画およびその他の文化事業の企画および興業
19. キャラクター商品の企画、製造および販売
20. 知的財産権の許諾
21. 前各号に付帯関連する一切の事業
任天堂は、いまだにトランプ類の製造販売も続けているし、金融業や医療機器の開発などもやっているのですね。
任天堂のホームページにずばり事業内容が記載されているページはありませんでしたが、「定款」と言って、企業の憲法のようなものがあります。これは上場企業であれば、「株主・投資家向け情報」というのが必ずあるので、その中で確認することができます。
(4)最近のトピックス
最近のトピックスは、いままさにその企業が最先端で取り組んでいることです。会社の沿革が過去の歴史を振り返ることであれば、「最近のトピックス」は現在、そして未来予想の情報が記載されています。ぜひ、読んでおきましょう。
入社したときにも「最近、すごい新製品を開発したみたいですね!」と話題をふることもできます。
2.基本的なパソコン操作
今の若い人は「デジタルネイティブ」と呼ばれて生まれた時からコンピュータやインターネットに囲まれた生活をしています。昔のようにパソコンを前にしてオロオロする、というようなことはないと思います。
ただ、一般の会社では必ずマイクロソフトの「ワード」「エクセル」「パワーポイント」は使うので、あまり慣れていない人はこの際、書籍やインターネットで検索して、ある程度の使い方をマスターしておきましょう。
(1)キーボード操作
私が入社する時には、その前の段階でキーボード操作の練習から始めました。いわゆるキーボードを見ないで文字が打てるようになる「ブランドタッチ」というものです。
スマートフォンに慣れている人が多いので、スマホでの文字入力はすごく早いと思いますが、会社ではまだまだパソコンが主力です。ブラインドタッチ、とまではいかなくても、キーボードを見ながらでもよいので、両手を使って文字が打てるように慣れておきましょう。
文字を打つスピードが遅いと、結果として仕事のスピードも遅くなってしまいます。訓練でできることは入社前にやってしまって、「仕事が遅い!」と先輩方から言われないようにしましょう。
(2)ワード
マイクロソフトの「ワード」のことです。
会社では社内や社外の取引先に出す文書はワードが標準になっています。とりあえず、文字が打てれば良いのですが、表の作成や図形の使い方も必ず必要になってくるので、どこを操作したら表を作成できるのか、ということは知っておきましょう。
会社に入ったら、ワードの使い方とかいちいち教えてくれません。
(3)エクセル
エクセルは表計算ソフトと呼ばれるので、計算やデータの処理などに必須のものとなっています。ところが、エクセルは文字も書けるし図形も自由に配置できるので、ワード以上に使い勝手がよいソフトです。
私がいた会社ではすべての業務をエクセルで済ませていた社員もいたくらいです。
会社でもっとも重要なビジネスソフトと言えるでしょう。
(4)パワーポイント
パワーポイントは相手にこちらの仕事の意図を伝えるためのプレゼンテーションソフトです。
スライド形式で、短いメッセージやグラフ、図で視覚にうったえた資料を作ることができます。
開発部門や営業部門では使うことが多いソフトですが、社内や社外の人に対して「何かを伝えたい」と考えた時に、ワードやエクセルではなく、あえてパワーポイントを使うこともあります。
(5)メールの書き方
メールについては、プライベートでもパソコンやスマートフォンでメッセージを交換していると思います。しかし、ビジネスでのメールでは一定の書き方のようなものがあります。
・宛先(会社名、先方の名前)
・挨拶文(いつもお世話になっております…など)
・要件(仕事の依頼やお知らせなど)
・締めの言葉(恐れ入りますが、宜しく御願い致します…など)
ただ、メールの書き方には会社の文化も反映されることが多いのも事実です。
「挨拶文なんて余計なことだから。とにかく結論だけ書けば良い」というところも多くなってきました。一応、世間で知られている「ビジネスメールの書き方」をネットで検索したりして、一般的なことを知っておいてから入社する会社の文化にあわせればよいでしょう。
とにかく共通することは、ビジネスメールの場合には、とにかく伝えたい内容の結論を先に書くことです。
3.簿記(3級程度で良い)
工業系の高校を卒業した人ならば、簿記の知識はあると思いますが、以外に知らずに入社する人が多いのも事実です。「他の人も勉強していないからいいや」となりがちですが、学生時代に簿記の勉強を一通りやっておくと、入社してから楽です。まずは直近の簿記試験に申し込んでしまいましょう。
そうすれば、試験日が近づくにつれて、勉強せざるを得なくなります。実際に試験に受かる必要はありません。もちろん受かるに越したことはありません。受かれば会社でも「簿記持っています」と言えるので、自分に対するささやかな自信にもなるでしょう。要は、簿記を勉強して「簿記って、こういうことなのか」ということを知っておくが大事なのです。
それでは、なぜ、簿記を勉強しておくべきなのでしょうか。
(1)自分の事務処理に関係してくる
会社に入ると、経理部門ではなくても、お金のことは付いて回ります。
旅費の精算とか会計伝票をシステムに打ち込むとか、一般社員、特に若い社員は結構な頻度であります。
そのときに、システムに正確に入力することや、自分の行なっている会計処理の意味がわかるのでミスも少なくなります。結局、こうした末端の会計処理が積み重なって会社全体の収支計算が行われるのです。
(2)会社の財務内容がわかる
最初のうちは、会社の財務状況なんてあまり興味がないかもしれません。でも、会社業績が自分の賞与などに影響することも多いですし、そもそも「うちの会社、大丈夫なのか」ということが数字として客観的に読めるようになります。
4.マナー本を読んでおく
会社員には学生の時とは違うしきたりがあります。例えば、名刺の渡し方などはビジネスとして常識とされる型のようなものがあります。入社後の研修で教えてもらうこともありますが、そのような研修がない企業も多いです。
他にもビジネスで活用するマナーはたくさんあります。この際にビジネスマナーの本を買って読んでしまいましょう。
入社後に恥をかかずにすみます。
5.入社前に遊んで楽しんでおく(バイトしている暇はない)
入社前は、いろいろと勉強しておこう、と書いてきましたが、本当はこれが一番大事かもしれません。入社までの数ヶ月間のうちに「遊んでおく」ことです。
想像がつくことだと思いますが、会社に入ってからは、本当に自分の時間が少なくなります。平日の夜と土日などの休日しか自分の時間がなくなるわけです。
日本の会社はまだまだ長期休暇の理解がありません。たまにテレビなどで「働き方改革」と称して、一週間程度の休暇制度が紹介されたり、ということもありますが、テレビで取り上げられるということは、それだけ希少性が高いからなのです。
入社まで働いておらず、時間はあってもお金がないかもしれません。でも、親から借りるなどしても「遊び」の体験をしておいたほうがいいです。
学生時代最後の遊び、ということで、「しっかり遊んでおいた」ということが、悔いを残さず入社を迎えることができるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
- 会社のホームページを見ておく
- 基本的なパソコン操作に慣れておく
- 簿記を勉強しておく
- マナー本を読んでおく
- 遊んでおく
こうしたことをしておくと、安心して入社の日を迎えることができます。
初めてのステージは誰でも不安が付きまといます。でも、誰もが体験する試練でもあります。その不安を軽減して、希望や期待の割合を多くもって新しいステージに上がれるように頑張っていただきたいと思います。