都心に勤めるOLがお忍びで心を癒す東京都内の異世界パワースポット/御岳山
東京の都心は、便利で刺激的な娯楽がたくさんある一方、大勢の人混みや満員電車、コンクリートジャングルなど、都会ならではのストレスも多い場所です。
そのようななか、ずっと働いていると、身体的にも精神的にも自然を求めてバランスを取ろうとします。
知らず知らずのうちに付着してしまった余計なものを洗浄し、新たな活力を生み出すエネルギーをチャージできる場所があったらどうでしょうか。
しかも、都心から電車で2時間足らずの東京都内で。
今回は、「東京にこんなにすごいところがあったのか!」と感動したので、東京都にありながら、まったくの異世界を体験できるスポットを紹介したいと思います。
仕事で疲れて「心のデトックスが必要かな・・・」と感じたら、ぜひ行ってみてください。
実際に、毎月必ず1回、1泊の予定で訪れるOLさんもいるほどの癒しスポットです。
御岳山(みたけさん)
その癒しスポットとは「御岳山」。
東京都青梅市にある標高929メートルの山です。
しかも、ただの山ではなくて、紀元前からの起源を持つ神社を山頂にいただき、まるで鹿児島の屋久島や青森の奥入瀬にでも来たのかと思うようなロックガーデンなど見所がたくさんあります。
新宿からJR中央・青梅線で御嶽駅へ。そこからバス10分、ケーブルカー6分を乗り継ぐと、そこは御岳山です。
ケーブルカー御岳山駅のすぐ脇には展望台があり、そこから都心の遠景が見えるのですが、向かって左には埼玉県、茨城県。向かって右には、神奈川県と、わずかに千葉県を望むことができます。1都4県を見渡せるすごい場所なのです。
このようなところから下界を眺めると、「あぁ、わたしは、あの都心で働いているのだなぁ…」となんだか都心のミニチュアを見ているようで、妙な気持ちになります。
あの高層ビルも米つぶみたいだし、当然、人間なんか粉よりも小さくて見ることができません。
都心では、日々いろいろな出来事が起きていても、所詮は米粒にも満たないような小さな存在なのだ、と、ふと哲学的な思索にふけってしまうほどの眺望です。
春から秋にかけては、水蒸気が多くて、都心の様子もはっきりとは見ることができませんが、11月から2月くらいの寒い時期いなると、空気も澄んで、くっきりとした景色を眺めることができるそうです。
レンゲショウマ
レンゲショウマとは、日本固有種でキンポウゲ科の多年草です。
御岳山では、このレンゲショウマの日本最大の群生地があり、8月から9月の初めにかけて約5万株の花を咲かせるそうです。御岳山駅から徒歩5分くらいのところにあるので、夏に行かれる方は鑑賞してみてはいかがでしょうか。
花は下を向いて咲くので、花の美しさを見るには、下から覗き込むように眺める必要がありますが、紫色のスイセンのような花が咲きます。
御岳山では、7月中旬から9月中旬にかけて毎年「レンゲショウマまつり」を開催しています。
産安社
安産祈願や縁結びにご利益があるとされる産安社。武蔵御嶽神社に付属する摂社として祀られています。
私が訪れた時には、「屋根にスズメバチの巣があるので注意!」という看板があり、お参りするのが怖かったのですが、静かにそっとお参りすれば大丈夫なようです。
天空もみじまつり
10月中旬から11月下旬にかけて「天空もみじまつり」と題して紅葉狩りができます。御岳山の紅葉の特徴は、カエデなどの赤く染まる葉っぱも多いのですが、黄色に染まる広葉樹も多く、豊かな色彩を眺めることができる点にあります。
その年によって見頃の時期は変わるようなのですが、11月初旬がいちばん美しいとされています。
武蔵御嶽神社
創建は、第10代の天皇である崇神天皇(すじんてんのう)。紀元前148年の天皇ということなので驚きです。そこから奈良時代の僧侶である行基が東国鎮護を祈願して、蔵王権現の像を安置するなど、古くから関東の霊山として信仰を集めて来た神社です。
現在の社殿は江戸時代の徳川綱吉の命より造営されたものとのこと。
日光東照宮に見られるように、徳川将軍の家光が極彩色の豪華な装飾を好んだことから、徳川家が関係する社殿は派手なものが多いそうです。
御岳山に宿泊するなら、ぜひ体験して欲しいことがあります。それは、毎朝7時から始まる日供祭への参列。日供祭とは、神様にお供えものをして、祝詞をあげる神事です。
御岳山には、現在32戸の御師(おし)の集落があり、山頂にある武蔵御嶽神社をお守りしています。その32戸はすべて武蔵御嶽神社の神主ということで、古来から毎朝交代で、途切れることなく日供祭を執り行っているそうです。
日供祭への参列は、御岳山の宿坊に宿泊した人だけが体験できるもので、泊まった宿坊に夜20時までに申し込むと朝7時の日供祭に5百円で参列することができます。なお、おつりはNGなので必ずお釣りがないように小銭を用意する必要があります。
普段は入ることのできない神殿に入って玉串奉納などもできるので、とても貴重な体験だと思います。
朝の清らかな空気の中で、執り行わなれる日供祭は、とても厳かで清々しい気持ちになります。
宿坊
もともと武蔵御嶽神社の宿坊は、神社を信仰する集まりである「講(こう)」と呼ばれる人々をお泊めするという役割もあったようで、それが今の御師集落でも見ることができます。今でも講の方々しか泊まることのできない宿坊もありますが、一般の方も宿泊できる民宿のような宿坊もあります。
御岳山は、都心からも近いので日帰りの方が多いです。ただ、宿泊してみると、夜は、都心の夜景をゆっくりと眺めることもできます。また、参拝客がほとんどいない朝の神社のお参りや、日供祭への参列など貴重な体験ができることが魅力です。
1泊すると、御岳山の魅力を存分に味わうことができるでしょう。
おいぬさま
御岳山は、昔、日本オオカミも生息していたというオオカミ伝説から、お犬さまもお祭りになられたようです。そのようなわけでペットの犬も一緒に参拝することができます。
ペットを連れて歩いている人が多いなぁ、と思っていたら、ペット専用の拝礼所もありました。
ロックガーデン(岩石園)
ロックガーデンとは、その名の通り「岩でできた庭」で、沢沿いを歩きながら、苔むした岩を眺めてハイキングができるところです。だいたい2時間くらいのコースで、屋久島の白谷雲水峡のミニチュア版のような景色を楽しむことができます。
スタジオジブリの「もののけ姫」は白谷雲水峡をロケ地にしていますが、まさに、あの世界のいいところだけを東京で味わうことができるのです。
そして、このロックガーデンは、御岳山のナチュラルパワースポットと呼ばれています。両脇を岩で囲まれ、その中心を清らかな水が流れています。そして、樹齢何百年もの大木を育てるような土や水、そして空気が豊富にあるのです。こうした生命を育むような気が充満していると言えます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
御岳山は、東京とは思えない自然豊かで、さらに霊験あらたかな場所であると言えます。
新宿からたった2時間で、このようなすごいところがあるとは思いませんでした。
武蔵御嶽神社も、古来から御師の人々がお守りしており、神社を中心に独特の文化圏を構成しているようです。
紀元前からの信仰の山なので、やはり、そこに何かがあると感じざるを得ません。
たとえば、神社の日供祭は、神様に朝ごはんをお供えするものですが、そのお祀りのときに、スゥーッと冷たい風が通り過ぎていくのを感じました。
また、ロックガーデンは清浄な空気と水、そして、木々が発するフィトンチッドなどで、癒しの効果を得られるとされています。
都会で疲れたら、こうした自然を相手にカウンセリングしてもらってもいいかもしれません。