社内に嫌いな社員がいて気分が悪くなる/そんなとき、どうする?
会社の中での悩みとして、どうにも困ったことになるのは「社内に嫌いな人がいる」ということではないでしょうか。
会社は狭いオフィスの中で組織として動いているので、あなたに関わる人で嫌いな人が近くにいると、それだけでもストレスになってしまいます。
そして、そのストレスは、長期的に心身に影響を及ぼすのでかなりのダメージです。
人間関係に関する悩みというのは、一筋縄でいかないような永遠の課題のような気もします。
それでも、実際に嫌いな人と一緒に仕事をしていかなくてはならなくなった時、いったいどのようにしたらよいのでしょうか。
嫌いになったきっかけを思い返してみる
あなたは、嫌いな人を、どうして嫌いになってしまったのでしょうか。はじめから嫌いだったのでしょうか。
- 理不尽なことで怒られた
- 会社で意地悪された
- 仕事のミスばかりして迷惑している
- 仕事を押し付けてくる
- あなたの話を聞いてくれない
- とにかく生理的に嫌い
…などなど、いろいろあるでしょう。
その人のことが嫌いなのは、あなたに何かしらの悪影響があるからですね。
何も悪影響がなければ、それほど意識してまで嫌いにはならないと思います。
あなたがその人のことを嫌いになる事件があったはずです。
嫌いになるきっかけは許せないものだったのか
会社の中で他人を嫌いになるというのは、たいてい「理不尽なことで怒られた」「意地悪された」ということが多いと思います。そうした出来事がきっかけで印象が悪くなり、嫌いになった、というわけです。
理不尽なことで怒られて、その影響が継続するのであれば、確かに、あなたの「きらい」は続いてしまうと思います。しかし、そうでない場合には、相手方は理不尽なことをしているとは気づいておらず、何の悪気がない、ということもあります。
それをあなたが根に持って、嫌いという感情を持ち続けてしまう、ということになります。
相手も悪気がなく、あなたも、悪気のない出来事で感情が傷ついたままだと、お互いに損です。
あなたも「あの人は私に悪意を持ってやったに違いない!」と思い込んでしまうので、客観的に状況分析するのは難しいでしょう。
しかし、理不尽なことをされた(…とあなたが感じた)あとに、相手が普段の接し方に戻っていた場合には、本当に悪意がない場合が多いです。
その時には、なるべく、気にしないでいるか、どうしても、気になるのであれば、「あの時のことなんですけれど・・・」と真意を確かめてみることも一つの方法です。
気にしないでいる
実は、相手方は四六時中、あなたのことを考えているわけではありません。あなたが思っているほど、相手は、あなたのことを注目しているわけではありません。
人間には容量があるので、関わる人すべてを同じように注目することはできないのです。
あなたも、たまたま「あの人」のことを注目しているわけであり、そのほかの人のことは、ほとんど守備範囲の外ではないでしょうか。
ただ、気にしないと言っても、すでにあなたの頭の中には「嫌いな人」のことで占められているので、そう簡単に気にしない、と割り切ることができないこともよくわかります。私自身もそうだからです。
しかし、そのようなときに「私はそれほど注目されているわけではない」と言うことを知っているだけも、少し落ち着いた気持ちになるものです。
嫌いになった出来事が理不尽なことでも、その後の接し方に異常がないのであれば「気にしないように」意識することで、相手に対する嫌い度が低下してきます。
相手の真意を確かめる
スッキリしなければ、相手の真意を確かめるという段階になりますが、これはあまりお勧めできる内容ではありません。真意を確かめたところで、あなたの誤解が解ければ、まだましです。しかし、相手の敵意が明確になってしまうと、嫌い度はマックスになってしまい、その後の会社生活を「うまくやっていく」ということが極めて難しくなってしまいます。
日本のオフィスでは、どうしても組織活動の比率が極大なので、「うまくやっていくこと」ができなくなると、仕事にも実害が生じてしまいます。
そうしたリスクを冒してまで真意を確かめたい、ということは、相手のことが嫌い、というよりも、相手に対する怒りの感情がマックスであると考えることです。
相手の真意を確かめると言う行動に出るあたりで、その時点では相手のことを「許していない」状態です。
社内に嫌いな人がいる場合、どのようにしたらよいのか
嫌いになったきっかけは「理不尽な仕打ち」とか「意地悪された」とか、いろいろだと思います。
だいたい、あなたが相手のことを嫌いでいる状態では、言葉や行動に、どうしても嫌いオーラが出てしまい、相手もあなたのことが嫌いなはずです。
それでは、一体どうすれば良いのでしょうか。
答えはシンプルです。
「相手のことを好きになる」
これで、社内に嫌いな人はいなくなります。そうすると、害されていた気分がニュートラルになるわけです。
「そんなこと、当たり前」
「それができないから、困っているのだ」
という思いをされているかもしれません。
でも、いちばんの特効薬は「嫌いな人を好きになる」ということなのです。
あなたも、自分のことを好きな人に対しては、好意的な態度をとるのではないでしょうか。
相手のことを好きになると言うもは無条件で好きになればもちろん素晴らしいのですが、一部分でも「よいところ」を見つけるのです。そして、それにフォーカスしていく。
「全体的にはすごく嫌いだけれど、家族からの電話では表情が緩んでいた」とか。
一点、よいところを見つけると芋づる式によい点が発掘されるものです。
私も会社勤めの中で、苦手な社員はいました。しかし、一部分でもよいから、良いと感じるところを見つけること、そして、そのことを、なんとか相手に伝えることで、仲良しにはなりませんでしたが、気持ちの和らぎを感じることはできました。
たとえ、以前、その人に、ちょっと意地悪されたことがあっても、良いところを伝えたり、逆に些細なことでも感謝の意を伝えることで、だんだんと関係性が氷解していくのがわかりました。
それからは、積極的に「嫌いな人を好きなる」という意識は持つようにしました。実際に「好きなる」というレベルまで行くのは難しいのは確かですが、ニュートラルの状態にはなります。
こうして、一部分でもよいところを見つけていき、あなたの気持ちを救ってあげてほしいと思います。
さらに一歩進んで
よいところを見つけたら、それを相手に向かってアウトプットすると、よい波動を伝えることができます。どうしても、そんな勇気がないのであれば、近しい社員に言ってみるのもよいでしょう。やがて、相手に伝われば、相手の気持ちも柔らかくなります。
固いもの同士では、どちらかが割れてしまったり、あるいは、どちらも割れてしまいます。
どちらかは、粘土のように柔軟でないと、やがて両方壊れてしまうのです。
あなたは、「せめて嫌いな相手が柔軟な態度を取ってくれれば許すのに」とか思っているかもしれません。
そして、そのようになる可能性もゼロではありません。
しかしながら、いちばん手っ取り早いのは、自分から柔らかくなることです。
あなたが強引に相手のことを変えようと思って、「はいわかりました」と相手が変わることはないのです。
これは、あなたも一緒なので、良くわかることだと思います。
「過去と相手は変えられない。でも、自分と未来は変えられる」
これは、心理学の基礎をなす考え方です。
自分が変わる可能性を秘めているから、希望があるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
嫌いな人がいて気分が悪い、という場合には、その原因となった出来事やきっかけを思い返してみる。
そうすることで、嫌いな原因が一過性のものであれば、「気にしない」という態度をとることで、気分が和らいでいきます。
しかし、根本的な解決では、「嫌いだった相手を好きなる」ということです。
それは、全部ではなくても一部でもよいのです。「よいところをひとつ見つけた」と言う成功体験が、次のよいところを教えてくれます。
「過去と相手は変えられないけれど、自分と未来は変えられる」
早く苦しみから脱したければ、自分のほうから柔らかくなるほうが手っ取り早いです。