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重要な仕事の案件ほど直感で判断することが有効。理屈は後からつけていく

 
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心理カウンセラー/調香師 「すべての人が自分らしく生きられる社会」を夢見て、心優しくも励ましが必要な人たちの手助けになればと思っています。 フレグランスデザインでは、あらゆる香りを創ることができます。
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会社の仕事では、判断しなければならないことが出てくるものですが、その判断とは、どのように行なっているでしょうか。

 

会社は論理の世界なので、判断した結論に至るまでのみちすじが重視されます。「前々月100個と前月200個と今月300個で平均値の200個を仕入れます」という結論を出すのに、「平均値」の部分が重視されるのです。

「なぜ、“200個”になったのか」

「それは、“実績データから平均で算出した”からです」

・・・と答えないと上司はハンコを押してくれません。そういうことなので、つい、データを平均してみたらどんな数字になるだろうと考えて、出た結果を結論としてしまいがちです。

 

「3ヶ月分を平均したら200だった。だから200が正解だ」

…でも、本当にそれで良いのでしょうか。論理を積み上げた結果が正しい答え、なのでしょうか。

 

直感で出した結論が正しい

 

仕事でどちらかを選ばなくてはならないとき、あなたはどのように選んでいますか。

いろいろなところからかき集めだデータを解析して結論を出すかもしれません。または、複数の人に意見を聞いて、いちばん多かった案を採用するかもしれません。

これは、下からデータや意見などの材料を積み上げていって結論に達するやり方です。

 

しかし、最初に直感で答えを出してしまってから、その直感の結論に向かって理屈をくっつけて行くほうが、仕事も早くできるし、結果も良好なことが多いのです。

 

例えば、赤いセーターとブルーのセーターの仕入れをするとします。

赤いセーターは、

100着→200着→300着、

…と、どんどん売れています。

一方、ブルーのセーターは、

100着→200着→100着

…と販売実績はイマイチです。

さて、翌月の仕入れは、赤とブルーのどちらを多くするでしょうか。

 

「言うまでもなく、確たるデータがあるのだから、赤いセーターを多く仕入れることに決まり!」

・・・で、いいのでしょうか?

 

数字の計算でいうと、赤いセーターの方が売れているので「赤いほうは、ずっと伸びているから次は400着は仕入れておくか」と考えそうなものです。青いほうは「真ん中をとって、平均の130着くらいかな」と考えるのでしょう。

 

上司に仕入れの数を決済をもらう場合には、

「赤いセーターは過去実績から言って伸びが持続するはずなので400着を仕入れます。青いほうは安定していないので平均値の130着を仕入れたいと思います」

・・・と、説明すれば、上司も「あ、そうか」となって、仕入れ判断のハンコを押してくれるでしょう。

 

ところが、あなたが販売の現場で、赤いセーターとブルーのセーターが売れる様子を見ていたとします。

 

 

「赤いセーターは確かに売れているけれど、ブルーのセーターを手に取る人が増えてきた。しかも若い子が『このブルー、すごく癒されるよね』なんて言っている…」

販売員としても「このブルーの発色は素敵すぎる…」と思っていた・・・なんとなくお店の空気も変わってきている気がする。。。

「青。ブルーが来る!」

 

こうした時に出てくる直感は「ブルーが来る!」と言っているかもしれません。

 

でも、最近の実績で売れていないブルーのセーターを多く仕入れるという判断をした場合、「ブルーのほうを多く仕入れます。理由は直感です!」

・・・と言っても、ハンコは押してくれないでしょう。

 

「根拠は直感です!」

「は?」

…と言われて終わりです。

 

しかし、実は、たいていの場合、直感で決めたほうが正しいことが多いのです。

 

直感は、瞬時に量子コンピュータ以上の計算して、まるでワープしたかのように答えを出して来るからです。

たかだか、最近の直近データとか平均値とと言うような単純計算とは次元が違うのです。

 

先ほどのブルーのセーターを多く仕入れる根拠は直感ですが、その直感が生まれた背景には、お店の空気感とか、何気無いお客さんの表情であるとか、そうした言語化できない、数値化できないものすら、無意識に高速計算をしているからです。

 

しかしながら、会社の仕事では論理的に筋が通らないと、いくら明晰な直感が得られたとしても、その結論は承認してくれません。

 

いったい、どうしたら良いのでしょうか。ここは直感をあきらめて、論理的な方法でさっさと承認をもらった方が得策なのでしょうか。

 

会社の仕事では論理を重視するけれど

 

通常は、明確なデータに基づいて研鑽した根拠があるほうの結論を採用するでしょう。赤いセーターとブルーのセーターで言えば、赤い方が売れているのは明確だからです。

ほとんどの会社員は、こうした仕事の仕方をしています。

 

それは、まず「上司が安心するから」です。

 

論理が重要視されるのは、誰もが見たことがあるデータや資料を前提としているので、安心するのです。

あなたが承認を求めた上司が、さらに上の上層部に説明に行くかもしれません。その時に、「データによると赤いセーターが売れているので、多めに仕入れます」と説明も楽です。

 

もう一つの理由は「本人も責任が免れるから」です。

 

もし、実績データが伸びていた赤いセーターが翌月売れなくても、「データ通りに仕入れたんですけどねぇ」と言い訳できるのです。

「正しく計算したから結論が間違っていてもいい」というのは、会社の中では暗黙の了解だったりします。

会社的には、明確に説明できない結論はNGなのです。結論よりも理由が大事にされてしまうのです。

 

ただ、理由が筋が通っていても、間違えだらけの結果で埋め尽くされてしまったら、やがて企業も倒れてしまいます。

 

直感で正しい答えを出し理屈はこじつける

 

データを積み上げて導き出された結論と直感が一致しているのであれば問題がありません。

しかし、相違がある場合には、大事な問題こそ、直感に従うべきです。

そして、直感ありきで、なんとか理由をくっつけていきます。

 

先ほどの赤いセーターとブルーのセーターであれば、「現場では1時間あたりブルーのセーターに触れるお客さんが赤の3倍。よって、実績データを3倍します」みたいな係数をかけて、もっともらしくしてしまうのです。

 

大きな会社であっても、業績を上げている会社は経営者の直感で動いている部分は大きいです。重要な案件ほど、実は直感で決めているのです。

 

重要な判断ほど「直感」で。その直感にいかに理屈をつけていくのかが、できる会社員の腕の見せ所です。

 

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