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下を向いて考えないこと!アイデアはいつも右上からやってくる/すぐに良い考えが浮かぶ方法

 
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心理カウンセラー/調香師 「すべての人が自分らしく生きられる社会」を夢見て、心優しくも励ましが必要な人たちの手助けになればと思っています。 フレグランスデザインでは、あらゆる香りを創ることができます。
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企画立案したり、新商品を開発したりする場合には、かなり考えること自体が仕事になることがあります。仕事でマニュアルに沿って作業をしている時には気にならないのですが、アイデアを求められたり、ひらめきが必要だったりする時には、行き詰ってしまうこともあります。

たいてい、何かを考える時、下を向いて腕を組み「う〜ん・・・」と、うなっていませんか。

しかし、それではなかなか、いい考えは思い浮かばないものです。

良いアイデアを出すには、いったいどうすればよいのでしょうか。

 

アイデアのつくり方/ジェームス・W・ヤング

 

広告マンのあいだで、長年バイブルとなっている本があります。

 

アイデアのつくり方」(ジェームス・W・ヤング:著)という本です。もうすでに50年以上も前に書かれたものです。

 

本文60ページほどの薄い本ですが、アイデアを生み出す基本原則や方法が書かれているということで、ずっと受け継がれてきているのです。

 

この本では、アイデアについてこのように語っています。

 

アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない

 

つまり、まったくの「無」からアイデアは生まれない、ということです。

 

「アイデアのつくり方」で述べられている内容は、この一点に集約されるといって良いでしょう。

アイデアとは、すでにあるものの組み合わせだ、といっているのです、

 

 

 

それでは、すでにあるものの組み合わせというのは、どのように生み出したらいいの?

ということについても、方法を提示してくれています。

 

 

 

第1段階:資料を集める

 

アイデアは「すでにあるものの組み合わせ」なのですから、すでにこの世にあるものをまずは集めましょう、ということなのです。そこからが始まるということですね。

 

いきなり何かすごいものが降りてくる、ということはないと言っています。

すごいものが降りてくるためには、資料集めという準備が必要だということです。

 

そして、その集める資料についても2種類あるといいます。

 

ひとつは「特殊知識」。

製品そのものの知識と、その製品を売りたいと想定する消費者に関する知識です。商品とターゲットですね。

 

例えば、椅子を売りたいとします。

椅子といっても、いろいろな種類があります。リビングで使う椅子から、ソファや簡易な丸椅子もあるでしょう。

中には、自動でモミモミしてくれるマッサージチェアなんていうのもあります。

 

こうして、製品である椅子に関する知識を膨大に集めてきます。

 

次に、その椅子の消費者です。どのような人が椅子を買うのでしょうか。リビングの椅子であれば引越しを検討している人が買おうと思っているかもしれません。マッサージチェアであれば、一般家庭ではなく温泉施設や旅館が検討している可能性もあるでしょう。

そして、ソファーは比較的大きめの部屋を持っている人が探しているかもしれません。

 

そして、ソファーを買おうと思っている人は、具体的にどんな人かをありありと想像するわけです。これが消費者に関する知識です。

 

 

こうした製品と消費者に関する知識が特殊知識と言われているもので、まずはこうした知識を一生懸命に蓄積しなさいとジェームス・ヤングはいいます。

 

さて、もう一つは、一般的知識です。

 

これは、世の中にある、ありとあらゆる知識のことです。

優秀な広告マンは、好奇心旺盛で、見るものすべてに興味関心を抱くといいます。こうした分野を超えたあらゆる知識が一般知識で、知識量が多ければ多いほど、組み合わせの数もどんどん増えていくことになります。

 

第2段階:咀嚼する

 

咀嚼は「心の消化」とも言われる作業です。

集めた資料を、前から、後ろから、斜めから眺めたり、資料同士を並べて比較してみたり、いろいろと加工する段階です。

 

ここで、バラバラの点である資料が、線としてつながったり、つながりそうでつながらなかったり、試行錯誤する段階になります。

 

ここでの作業は、ある意味、資料やデータ同士の共通点や似ているところなどの関係性を見つけていくことです。

 

第3段階:孵化(ふか)する

 

集めた資料やデータを色々な角度から眺めたり、こねくり回したりしても、どうも、良いアイデアが浮かばなかったりします。むしろ、この段階では、そんな素敵な考えは降りてこないのだそうです。

 

そこで、いろいろ考えるのをやめて、これまでやってきた作業を手放してしまうのです。

 

あとは、無意識に仕事をさせる、ということなのでしょう。

 

散歩をしたり、別の仕事をしたり、遊びに行ったりして、今まで一生懸命に検討していたこととは別のことをやります。

こうして、集めた資料や今まで考えてきたことが孵化(卵からかえる)のを待つわけです。

 

第4段階:誕生する

 

いよいよアイデアが生まれる時がやってきます。

 

ニュートンがリンゴの木から果実が落ちるのを見て、万有引力の法則を発見したように、ふとしたときに、そのアイデアはやってきます。

 

例えば、椅子の例でいうと、ある日、訪れた日本庭園で、抹茶のサービスがありました。

茶道などの伝統芸能が古来からあることは、幅広い情報を吸収した中にあったので、知識としてはありました。世の中には、華道、茶道、香道という三代伝統芸能があり、日本古来のいわゆる和モノなので、畳の上で正座が当たり前の世界です。

 

しかし、歳をとったり、足が悪くて、抹茶を飲みたいけれど、正座ができずに諦める人を見ました。

 

そこで「あっ!」と何かが光ります。

 

こうした人に対する椅子はないだろうかと、ひらめくのです。

 

伝統芸能×椅子です。

 

そのような組み合わせで誕生したのが「正座椅子」だったりするわけです(たぶん)。

 

この段階ではアイデアレベルです。でも、かなり良い考えのようにも思います。

 

そこで、実際に世の中に出して反応を見るという段階に移るのです。

 

第5段階:世に出す

 

いくら良いアイデアでも、世の中の人に受け入れられなければ、ただの個人的な考え、ということになってしまいます。

頭の中にひらめいたアイデアを形にして世に問うて見るのです。

 

先ほどの「正座椅子」であれば、確かに伝統芸能で正座をしなくてはならない時に、正座をしていながら、椅子に座っているような感じなので、足が悪くても大丈夫なように見えます。

 

しかし、日本古来の伝統芸能は、伝統を重んじて形(かた)をしっかり守って後世に伝えていくことが使命という極めて硬い世界でもあります。

 

こうした中では、例えば茶室に椅子を持ち込むとは何事か、ということにもなりかねません。

そこで製品アイデアを改良したり工夫したり、さらなる高みを目指すのです。

 

茶道などの和物であれば、所作が美しくなければならず、椅子などは邪魔に見えるかもしれません。そうであれば、ほとんど目立つことなく、茶室にも片手で持ち込めるように折りたためるものだったら良いのではないか、と考えます。

 

そこで、極限まで小さくしてさらに折りたためるようにして、茶道などの和物でも目立つことなく、さらに正座を補佐する椅子としてニーズが生まれました。

 

それが「正座椅子」であったと思われます(たぶん)。

 

これは、私が和物のお稽古をしている時に正座椅子を知って、そこから逆算してアイデアが生まれた経緯を想像したものですが、きっとこんな感じで、世の中の便利グッズは生まれているのだと思います。

 

アイデアは右上からやってくる

 

さて、こうしてきちんと段階を踏めば、素敵なアイデアが降りてくることはわかりました。

 

では、その素敵なアイデアは、どこからやってくるのでしょうか。

 

そのアイデアは、常に頭の右上からやってきます

 

これはジェームス・W・ヤングが言っているわけではありませんが、クリエーターが無意識に自覚していることです。

 

ビックリマーク(!)を書く時にも、右上から下に向かって書くことが多いと思います。また、ひらめきのアイコンとしてよく電球が描かれますが、これも頭の上に描く時には右上につけることが多いです。

 

これはなぜかと言うと、人間のイメージの中では、時間軸は左から右へ流れています。棒グラフや折れ線グラフを書くときも、左から右へ矢印の線を引っ張ります。

 

つまり、右のほうには未来があるのです。そして、その未来の方角から形にしてほしいアイデアが降ってくるわけです。降ってきた時には、まだ、目に見える形ではなく、その人の頭の中のイメージに過ぎません。まだ、現実化されていないわけです。

 

しかし、未来からやってきたということは、何らかの状態で形になる可能性が大いにあると言うことです。

 

よくアイデアをひねり出すのに「下を向いて考えるな!」と言われるのはそういうことです。アイデアのかけらは、下には落ちていないのです。

 

アイデアは、いつも右上からやってくる

 

だから、考える時には、下を向いていないで、上を向いて考える必要があるのです。そして、右上からやってきたアイデアをしっかりとキャッチできるように、目を凝らして見張っていることです。

 

せっかく右上から来たアイデアが、すぐに過去の彼方に流れていってしまいます。

 

下を向いて考えないこと!アイデアはいつも右上からやってくる

 

これが、クリエイターが無意識に、しかも、こっそりと行なっている極意なのです。

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。

 

広告マンの永遠のバイブルと言われる「アイデアのつくり方」から、アイデアの出し方を体系的にまとめてみました。

 

アイデアの原理とは、「既存の要素の新しい組み合わせ」であり、「事物の関連性を見つけ出す才能」であること。

そして、そのアイデアを生み出す方法は、5つの段階を踏めば、素敵なアイデアを得ることができる、というものでした。

 

第1段階:資料を集める(特殊資料+一般資料)

第2段階:咀嚼する(色々な角度からデータを眺める、比較検討する)

第3段階:消化する(考えることを一旦やめて手放す)

第4段階:誕生する(何かの拍子にふとひらめく)

第5段階:世に出す(ひらめいたアイデアを実際に世間に出してみる)

 

そして、知られざる極意が、

アイデアはいつも右上からやってくる

ということでした。

 

これからは、何かとアイデアや創造性の重要性がさらに増してくる時代と言われます。

本当に素敵なアイデアを、ぜひ、世の中に生み出したいものですね。

 

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