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会社で愛とか夢とかロマンとかはタブー?/たまに使うと絶大なパワー

 
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心理カウンセラー/調香師 「すべての人が自分らしく生きられる社会」を夢見て、心優しくも励ましが必要な人たちの手助けになればと思っています。 フレグランスデザインでは、あらゆる香りを創ることができます。
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会社の中では、常に大人の対応を求められるので、「青年の主張」のような青臭さは敬遠されます。青臭いことを言われると、それを聞いている人たちは、言葉の置きどころに困ってしまうのです。

とはいえ、まだ会社に入って3年目くらいとか、若くして希望を持って転職してきた社員は、会社の中でも、時に湧き上がるものをアウトプットしてしまいたくなることがあるようです。ものすごく稀な例ですが。

 

やはり、会社内において、青臭さは厳禁なのでしょうか。今回は、この点について考えてみます。

 

そもそも会社内で青臭いことって何?

 

会社内では、大人の言語と呼ばれるものがあります。青臭さとは無縁の単語です。これは、あなたが普段使っている言葉を思い返してみるとわかることだと思います。

生産性向上、原価低減、目標達成、売上増大、利益確保、顧客満足・・・。

 

それでは、会社でタブーと言われる青臭いことってどんなことなのでしょうか。

 

愛、夢、ロマンを叫ぶ

 

日本のどの会社にも共通した目的として「利益追求」と「社会貢献」があります。

利益を上げられなければ、会社は潰れてしまうし、悪事を働くような会社は法的に会社と認められていません。

そのようなわけで、会社の存在意義とは「利益追求」と「社会貢献」ということになるのです。

 

特に、社会貢献について言えば、世界に対する愛なわけですから、「やっぱり、愛、ですよね!」ということが会社内で飛び交っていてもいいわけです。

しかしながら、会議や打ち合わせでも「愛」という言葉が使われることはありません。日常的に目にする言葉でも、会社の中では居心地が悪い言葉になってしまうのです。

そういうわけで、「愛」という言葉は、「顧客満足」とか「サービス」という言葉に置き換えられます。

会議室で「やっぱ、愛でしょ!愛!」と言った瞬間に5秒くらいの静かな時間が流れてしまうのです。

 

私は支店長などの偉い人たちが集まる会議の事務局をやっていたことがありました。

そのときに、「この問題に対する解決策としては、どのようなことが考えられるか?」と、ふいに意見を求められたことがありました。

 

「究極の解決策、それは、愛、だと思います」

と発言したところ、一部の支店長が苦笑いしただけで、ほぼスルーとなってしまいました。たぶん「あいつ、馬鹿か!?」と思われたのではないかと思います。

 

結局、「愛」を叫んでも、ビジネスでは何も進展が起こらないことを学びました。

 

「俺たちは仲間だよな!」と肩を抱く

 

自分と同じ意見の同志が欲しいときには感じるものですが、露骨に発言することはありません。重要案件の会議が始まる前などに、こっそりと「同意」を求められる言葉として、ささやかれることはあります。

ただ、これを会社で白昼堂々とやることはありません。意見に対する同意とか、そういった根回しを超えて、絆を確かめるが如く「仲間意識」を持つことは良いことだと思います。しかし、「肩を抱く」ことで、周囲の社員たちはドン引きしてしまいます。

 

なんか「絆を大切にする」という明確な行動もダメなようです。

 

ただ、飲み会みたいに、仕事からちょっとずれたところでやられると、「あ、仲間なんだ・・・」と意外とズキュンときて、困ることがあります(いや、ありがたいですが)。

まぁ、飲み会では10回くらいやられたことはありますが・・・。

 

涙を流して訴える

 

会社内は理性の空間なので、とことん感情が排斥される世界です。なので、「涙を流して訴える」ということもアウト、ということになってしまいます。

私の同僚で「納得いきません!」と、上司に涙ながらに訴えていた社員がいましたが、結局、何かが変わったわけでもなく、上司を困らせて終わってしまいました。

 

ただ、周囲で見ていた人は「声をかけてあげたいけれど、かけられるような状況にない」ということで、もどかしい時間を過ごしたようです。少なくとも見て見ぬ振りをしながら感情は揺さぶられていました。

 

人間味や情を出す

 

会社では「情」を見せてしまうと、情を見せたもの負け、みたいなところがあります。

 

「あいつは悪くないんですよ、俺の説明が足りなかったんです。怒るなら俺を怒ってくださいよ!」なんて同僚をかばったりしたら、「そうか、お前が悪いのか!」と本気で怒られてしまいます。

情を見せたもの負けなので、会社内って、あんなに冷静で乾いた空間になってしまうのです。

 

だいぶ前ですが、私が「彼に仕事を振るのはかわいそうですよ、今たくさん案件抱えていますし。」と言ったら、「じゃぁ、お前やれよ」と仕事を命ぜられてしまったこともありました。

 

スピリチュアルになる

 

「みんな宇宙が見守ってくれます」みたいに、現実的に科学的証拠がない場合にもアウトですね。

「社員全員でイメージすれば、きっと引き寄せの法則が働きます」と資料に書いても「書き直せ!」と言われてしまいます。精神世界の出版社や自己啓発系の教育機関であれば、そのような発言も許されるのでしょうが、一般のメーカーや役所などではダメでしょう。

 

私としては、1%くらい取り入れてもいいんじゃないか?と思ったりするのですが、あんまり同意されませんね。

グーグルとかは始業前に「瞑想」を取り入れたり、ほんの少しですが、スピリチュアル的なこともビジネスに入り込んで入るのですけれどね・・・。

 

青臭さは封印すべきか

 

それでは、会社では青臭さは封印すべきなのでしょうか。

 

もちろん、会社は大人の世界なので、自分だけ未熟さ満々で仕事をしていたら、周りの社員に迷惑をかけてしまうでしょう。でも、10年に1回くらい「青臭いこと」をやっておかないと、会社生活に潤いのある思い出がなくなってしまうと思うのです。

 

私は、社外の研修で、上場企業の会長さんに意見をしたことがありました。

私の会社は中小企業でしたが、その会長さんは5万人近くの社員数を抱える大企業の方でした。

 

その会長さんは、私が勤務していた会社を縮小させるようなことを言ったので、

「うちの会社はみんな頑張ってイノベーションに取り組んでいる!そんなにいうなら、今度、現場に来てくださいよ!数年後にはすごい会社になりますよっ!」

と、啖呵を切ったところ、その会長さんが、3ヶ月後に本当に会社に来てしまい、会社内が慌てふためいてしまったことがありました。

 

会社にとっては、余計なことだったかもしれませんが、その会長さんが来社したことは、前代未聞のことだったので、その大企業の社内報にも紹介されました。

これは、ただ「大企業の会長を呼んだ」というだけですが、青臭さは、ときに想像しないような出来事を持ってきてくれることがあります。

 

そして、普段は無味乾燥な社内にも、ちょっとした祭りを作ることにもなるわけです。

 

さいごに

 

青臭いことは学生時代でおしまい、というのは、なんだか寂しいものです。

会社は大人な空間だからこそ、ちょっとの青臭さで、一瞬だけ雰囲気を変えることができるのです。

 

青臭さとは未熟さのことでもありますが、そこに情熱があるのであれば、ちょっと青臭さが会社に与えるインパクトは大きいのです。

とはいえ、やっぱり会社は大人な社会。青臭さは「ここぞ」というときだけにしましょう。

 

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